「戦うロイヤルファミリー」が操った航空機とは? 英軍用機ショーに皇太子一家 実は代々パイロット

空母に乗り戦地で命を張った王子とは

 ヘンリー王子と同様にトラブルが多く、皇太子の弟であり、またトラブルにより軍の名誉職を返上しているという共通項を持つアンドルー王子(故エリザベス2世女王の次男)も、ヘンリー王子と同様、イギリス軍人として戦地へ派遣されています。

 1978年にイギリス海軍へ入隊したアンドルー王子は、海軍兵学校卒業後、まず小型汎用ヘリコプターのウエストランド「ガゼル」で操縦訓練を受けました。後に当時のイギリス海軍で主力対潜水艦ヘリコプターとして使用されていた「シーキング」に機種転換し、空母「インヴィンシブル」に乗艦して、1982年のフォークランド紛争に従軍しています。

 アンドルー王子はフォークランド紛争中、他のパイロットと同様にアルゼンチン軍の対艦ミサイルに対する囮の役も務めており、その姿勢は国民からも高く評価されていました。このため紛争が終結して「インヴィンシブル」がイギリスに帰還した際には、エリザべス2世女王と王配のフィリップ殿下がポーツマスまで出迎えに赴いています。

 アンドルー王子のすぐ下の弟であるエドワード王子も大学卒業後にイギリス海兵隊に入隊していますが、短期間で除隊しており、航空機での勤務経験はないようです。

 しかしアンドルー、エドワード両王子の兄であり、ウィリアム皇太子とヘンリー王子の父親でもある現イギリス国王のチャールズ3世は、ケンブリッジ大学を卒業後、イギリス空軍と海軍に入隊。空軍のデ・ハビラント・カナダDHC-1「チップマンク」初等練習機とBAC「ジェット・プロヴォスト」ジェット練習機で航空機の操縦訓練を受けており、イギリス空軍第32飛行隊で2022年3月まで王室専用機として使用されていたBAe(現BAEシステムズ)「146」ターボファン旅客機や、小型ターボプロップ機のホーカーシドレー「アンドーバー」の操縦などを行っています。

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ウィリアム皇太子も乗っていたウエストランド「シーキング」(画像:イギリス国防省)。

 ウィリアム王子の長男ジョージ王子と次男のルイ王子は、2022年に崩御したエリザベス2世女王の棺をスコットランドのバルモラル城から輸送したC-17「グローブマスターIII」輸送機に特段の興味を示しており、RIATでジョージ王子はアメリカ空軍から参加したC-17の貨物室の操作に挑戦。またルイ王子は機内に搭載された四輪バイクにまたがり、報道陣に手を振ってみせたと報じられています。

 今はまだ無邪気な二人の王子ですが、イギリス王室の伝統に則れば彼らもまた、近い将来軍で航空機の操縦を学び、勤務することになると思われます。

【了】

【10歳で兵士の素質…?】C-17輸送機を視察するウィリアム皇太子一家(写真)

Writer: 竹内 修(軍事ジャーナリスト)

軍事ジャーナリスト。海外の防衛装備展示会やメーカーなどへの取材に基づいた記事を、軍事専門誌のほか一般誌でも執筆。著書は「最先端未来兵器完全ファイル」、「軍用ドローン年鑑」、「全161か国 これが世界の陸軍力だ!」など。

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