道路脇の「街路樹」誰のもの? ビッグモーター"除草剤"事件で注目 邪魔で無くせはNG、「泣き寝入り」の実態も
街路樹管理の実態
関西のとある土木職員は「毎年4月に新年度が始まると、その年度に管轄道路の植樹管理を行う業者の入札発注を行います。管轄道路が膨大なので、おおかた2~4のエリアに分けて、それぞれ担当の業者と契約します」と話します。
内容は、年複数回の剪定や防虫対策、雑草抜きの作業。剪定にもマニュアルがあり、例えば「街路樹剪定マニュアル」では、街路樹を「自然樹形」「人工樹形」の2カテゴリに分け、それぞれ「育成・維持・縮小・樹形再生」の4タイプに分けて、剪定方法を細かく規定しています。
防虫対策は、毛虫やアブラムシなど、木を枯らす原因となる虫を除去する薬剤散布で、虫の繁殖などのサイクルを考慮して、年2~3回行われるといいます。
維持にはかなり手間がかかるうえ、「歩道が狭い、街路樹を無くして人が歩けるスペースにしてほしい、といった地元要望も数多くいただき、地元の市会議員が陳情にくる場合もあります」(同)。
その場合、街路樹は撤去されるのでしょうか。先述の職員は「道路構造令にはただし書きとして『地形の状況等の理由によりやむを得ない場合はこの限りでない』とあり、これを適用して『視距が遮られて歩行者の安全が阻害される』などの理由付けで撤去を決定する場合もあります。しかし、そもそも街路樹の設計にもそういった視距については考慮されているため、規定を逸脱することなく撤去を行うのはなかなか難しいです」どのこと。
横浜市青葉区は「道路自費工事における街路樹撤去」についてマニュアルを公開しており、沿線住民から希望があった場合、「青葉区には街路樹に愛着をもっている区民の皆さんも多く、まずは街路樹の撤去を伴わない建築計画の検討をお願いしています」として、建築計画の承認にあたって、自治会長への相談、近隣住民への相談をするよう呼びかけ、地元トラブルを避けることとしています。伐採後は、ほかの植樹ますに「捕植」しなければなりません。
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