ドイツ「まだあるぞ!」ウクライナへ歩兵戦闘車さらに60両供与 大盤振舞いの理由とは?
今までの歩兵戦闘車の被害を帳消し?
ラインメタルで改修済みの車両
ドイツ連邦政府は現地時間の2023年8月4日、「マルダー」歩兵戦闘車を追加でウクライナに60両供与すると発表しました。
同車両は2023年6月に40両を供与しており、ウクライナ軍が受け取った「マルダー」は合計で100両になりました。これまで、ウクライナに送られた歩兵戦闘車ではアメリカのM2「ブラッドレー」を109両供給しており、これに次ぐ数になります。
既に、M2「ブラッドレー」は「マルダー」より先に戦闘に投入されており、2023年7月末の段階で戦闘や故障で計48両が失われていたといわれていますが、こちらも新たに追加の80両程度の供与があるそうです。「マルダー」関しても、まだ追加分で送る車両があり、最終的には合計で120両が送られる予定になっています。
ほかにドイツは2023年7月末には旧式主力戦車の「レオパルト1A 5」を10両供与したと発表。同車両に関しても最終的には170両以上の供給になるとみられています。
東西ドイツ統一後の約30年間、ドイツにとっては、紛争や戦争は対岸の火事であり続け、国際機関や国際法に基づく世界秩序が解決してくれるという世論でした。しかし、2022年2月のロシアによるウクライナ侵攻以降は、大幅な軍備増強を図り、ウクライナへも積極的に兵器を供与するなど、急激な方針転換を行っています。
なお、ウクライナに供与されている「マルダー」に関しては、かつてドイツ陸軍で使用され、倉庫で眠っていた「マルダー1A3」をドイツの防衛企業であるラインメタルが改修したものになります。いわば、ドイツにとっては「休眠在庫」が都合よく処理できたとも言えるかもしれません。
【了】
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