下北沢駅の「虚無の空間」どうなるの? いつまでも工事中 じつは「街の歴史が変わる」大変化?

「歩行者と自転車しか到達できない駅」下北沢駅がついに変わる!?

ずっと何もない空間

 東京都世田谷区の下北沢駅は、2018年の小田急複々線化・地下化以降、大きく変貌し続けています。小田急の駅舎はリニューアルして店舗併設型の低層ビルとなり、地上線路の跡地は緑道とカフェが立地してゆとりある空間に生まれ変わりました。

 そんななか、いまだに「よく分からない空地」のままになっているのが、東口広場です。5年経っても何を塞ぐでもないバリケードで囲われ、ビルが建設される様子もありません。この空地はいったい、将来的にどうなって、今現在は何が進んでいる状態なのでしょうか。

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下北沢駅東口に広がる広大な空き地(乗りものニュース編集部撮影)。

 下北沢駅東口では現在、都市計画道路が整備されています。具体的には、茶沢通りから西へ新道路が分岐し、そこからさらに分岐して、小田急線路跡が駅東口まで「駅前道路」として整備される計画です。

 要するに、三軒茶屋方面からつづく茶沢通りから下北沢駅の改札前まで、自動車やバスが乗りつけることが可能となるわけです。これは下北沢という街にとっても「革命的」なこととなるかもしれません。

 駅まで車で送り迎えをしたり、タクシーに乗ったりといった「当たり前の光景」が、下北沢駅にはありませんでした。それが下北沢駅を独特の街たらしめていた面もありますが、そんな”歩行者の街”であった駅前周辺部の様相が、変化を遂げることとなります。

 下北沢駅へ路線バスで行くには、三軒茶屋駅方面からやってくる小田急バス「下61系統」で、終点の「北沢タウンホール」もしくは手前の「下北沢駅前」で降り、繁華街の中を歩く必要がありました。路線バスの再編は未定ですが、もし駅前直結を果たすと、世田谷区北部の住民にとって、新宿駅への足は「取っつきやすい」ものになります。

 気になる事業進捗ですが、実は知らぬ間に、「駅前広場」はそこそこ完成に近づいています。広場区画は整理され、周囲との高低差を埋めるスロープが設置済み。今後、歩車道境界ブロックやバス・タクシーのりばの施設、ロータリーの交通島などが今後設置されるようです。

 駅前ロータリーはそこそこ進んでいますが、その根元である北東側の線路跡は、まだあまり道路整備が進んでいません。初期段階の「道路端の縁石」がやっと置かれ、路盤の砂利が敷かれたという状況です。

 世田谷区は「2028年度中の完成を目指します」としています。もともと2022年開通予定だったのが、「用地取得に時間を要して」いることから、昨年に事業延期となりました。

 繁華街で用地の案件数も多く、容易には進まない都市計画道路。この完成をもって、いよいよ下北沢駅はさらに「完全体」に近づくこととなります。

【了】

【えっ…!これが下北沢駅東口の「完成イメージ」です】

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