ついに「南米生まれの軽攻撃機」NATO仕様にカスタムされ飛ぶ! 密輸組織相手以外の使い道とは

ブラジルの航空機メーカー、エンブラエルは2025年7月17日、ポルトガル空軍向けのA-29N「スーパーツカノ」の飛行試験キャンペーンを開始したと発表しました。

NATO仕様としては初の機体

 ブラジルの航空機メーカー、エンブラエルは2025年7月17日、ポルトガル空軍向けのA-29N「スーパーツカノ」の飛行試験キャンペーンを開始したと発表しました。

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駐機されたA-29N「スーパーツカノ」(画像:エンブラエルは)

 このA-29Nは、2024年12月に発注された12機のうちの1機で、NATO(北大西洋条約機構)の運用基準を満たすように設計されたA-29「スーパーツカノ」の派生型です。ポルトガルはこのNATO仕様機の初の導入国となります。

 もともとA-29は、麻薬密輸組織やゲリラが操縦する航空機や船舶の監視・攻撃に使用するために開発された軽攻撃機ですが、ポルトガルはこれを、船舶による密輸対策に加え、日常的なパイロット訓練やNATOにおける空軍戦力の多層化(ハイ・ロー・ミックス)に対応する汎用性の高い実用機として導入する考えです。

 NATO仕様のA-29N「スーパーツカノ」には、先進的なアビオニクス(航空電子機器)やNATO準拠の通信・操縦システムが搭載されています。さらに訓練デバイスには、仮想現実(VR)、拡張現実(AR)、複合現実(MR)といった最新の技術が導入されており、世界最高水準の教育・訓練環境を提供できるよう改良されています。

 今回の飛行試験開始にあたり、ポルトガル空軍のジョアン・ノゲイラ少将は、「A-29Nの飛行試験キャンペーンの開始は、ポルトガル空軍が理想とする仕様に基づく新たなプラットフォームの導入に向けて、順調に進んでいることを示しています」とコメントしています。

 エンブラエルは今後、ポルトガルに加えて、欧州のNATO加盟国へのA-29N「スーパーツカノ」の販売拡大も視野に入れているようです。

 なお同日、ポルトガル空軍向けに3機目となるKC-390「ミレニアム」の納入式も実施されました。ポルトガルは最終的に同機を6機運用する予定です。

※一部修正しました(7月22日14時20分)。

【画像】と、飛んだぞ! これがNATO仕様の「スーパーツカノ」が飛んだ様子です

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