まるで鏡!? 銀色のタンクローリーが「とにかくピカピカ」な理由 無塗装で"磨き上げ"の目的とは
タンクローリーの中には、銀色で鏡面のようにピカピカ輝く無塗装のタンクをたまに見かけます。もちろん、しっかり“磨いて”ピカピカに。そうするには理由があります。
銀色のタンクの場合はほとんがステンレス製
タンクローリーの中には、銀色でピカピカの無塗装タンクを装備しているものを見かけます。それこそ、後続車や周りの風景を映し出しながら走るほどの“鏡面仕上げ”になっていますが、あのように表面になっているのには意味があるのでしょうか。
タンクローリーのタンクに使われている素材は、大きく分けて鉄、アルミ、ステンレスの3種類があります。このなかで、ピカピカのタイプのタンクは、ステンレス製であることがほとんどです。
ステンレスはクロムを含ませた合金となっており、腐食やサビに強い素材となっています。そのため、サビ止や腐食止めなどのコーティングを施すのみで、塗装をする必要がなく、塗料剥がれも発生しません。そういった特性があるため、ステンレスのタンクは腐食性の強い化学薬品のほか、牛乳や飲料水など、人間の口に入るため衛生的であることが求められる液体などを運搬することに適しています。
しかし、ステンレスだからといって、鏡面のように磨き上げたるには、それなりの手間を要します。にも関わらず、ピカピカのタンクローリーが多い理由――それは単純に「清潔な印象を受け、衛生的に見えるから」と、タンクローリーを使用している運送会社は話します。それこそ食品などを扱うので、この清潔さはイメージに直結するのかもしれません。
ちなみに、タンクが楕円のものと真円のものにも意味があるそうで、楕円のタンクは、内容物が下のほうに溜まりやすく、走行時の重心が低くなるため、流動性の高い液体に使われ、真円のタンクは高圧ガスや流動性の低い液体に用いられるそうです。タンク内部は単なる筒になっているわけではなく、複数の「室」に仕切られており、それぞれの「室」の内容物が違うケースなどもあります。
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