ブツ切れ北陸本線「5会社に分割」へ 新幹線開業で生まれた「第三セクター鉄道」一体どうなるのか
今回の延伸で「新開業」する第三セクターも
【石川県】IRいしかわ鉄道(倶利伽羅~金沢~大聖寺)
北陸新幹線の金沢開業時に、富山県境の倶利伽羅駅から金沢駅までの区間をJRから引き継ぎました。先述のとおり、全列車が富山県側の「あいの風とやま鉄道」に直通しています。車両はこちらもJR西日本時代の521系を引き継いでいます。
北陸新幹線の敦賀延伸にあわせて、南側の金沢~大聖寺間もこの会社へ移管予定。JR北陸本線の石川県内の区間はすべてIRいしかわ鉄道になります。開業に合わせて、新駅「西松任駅」が設置される予定です。金沢以南のダイヤがどうなるのか、金沢駅を境にして直通する列車はあるのかなど、詳細は今後発表される見込みです。
【福井県】ハピラインふくい(大聖寺~敦賀)
今回の敦賀延伸ではじめて誕生する第三セクターです。福井県内の新幹線並行区間が、JRから引き継がれます。2019年に設立された際は「福井県並行在来線準備株式会社」という名前でしたが、2022年7月に正式な会社名「ハピラインふくい」が決定しました。
車両はやはりJR西日本の521系が引き継がれ、カラーリングは会社イメージカラーどおりのピンクと黄緑が採用される予定です。
金沢まで直通する列車はあるのかなどダイヤ詳細はまだ決定されていませんが、「サンダーバード」など特急が全廃となるため、かわりに朝夕を中心に快速列車が運行される見込みです。また、武生駅の南側に新駅が開業する見込みで、さらに県内2か所で新駅設置計画が進められています。
なお、福井駅の南隣の越前花堂駅から分岐し大野方面へ向かうJR越美北線は、JRのまま「飛び地路線」として残されることになります。
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なお、敦賀以南、米原駅までの45.9kmはJR西日本の「北陸本線」として残ります。
第三セクター鉄道は、基本的に出資元の大半が地元自治体であるため、当然「他県の事業へお金を落とす」ことはなく、それが県ごとに会社が細かく分かれ、運営や料金体系も別々となる背景です。例外として、九州新幹線の開業でJR鹿児島本線の一部を引き継いだ「肥薩おれんじ鉄道」は、熊本県と鹿児島県が出資して、2県にまたがる第三セクター鉄道となっています。
【了】
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