JR在来線の「日本一長いトンネル」勢力図に変化!? 新幹線開業で新たな「日本最長」はどこなのか

3位以下も重要な役割

●3位「清水トンネル」9702m(上越線)
 もともと上越線にあったのがこちらです。1位の新清水トンネルとは違い、土合駅はごく普通の地上駅です。とはいえ周囲は深い山奥で、集落は見えない、いわゆる「秘境駅」となっています。

●4位「丹那トンネル」7804m(東海道線)
 熱海から沼津方面へ抜けるところに待ち受けている「丹那山地」を貫くトンネルです。明治時代から建設が進んだ東海道本線は、複雑な地質のせいでここを迂回せざるを得ず、現在の御殿場線がかつての本線でした。1934年に難工事を経てようやく完成、熱海や伊東、修善寺は「幹線沿線」として一大観光地に発展していくことになります。

●5位「六十里越トンネル」6359m(只見線)
 福島県の会津若松から新潟県の小出駅へつなぐローカル線・只見線の、県境をまたぐ地点にあります。非電化区間では日本最長のトンネルとなっています。並行する国道252号線も連続ヘアピンや急勾配・急カーブの強烈な山越えとなっています。

 現在、只見から北西へ抜けて三条・新潟方面へ直結する峠越えルート「八十里越」も建設中で、完成すれば福島~新潟の道路ルートは只見線よりも圧倒的に短距離になります。

※ ※ ※

 ちなみに、長らくこのランキングで首位だったのが、北海道と青森をむすぶ「青函トンネル」でした。長さ53850mは日本のトンネルでは圧倒的に最長です。

 1988年に開業。もともと在来線の線路として快速「海峡」や急行「はまなす」、特急「白鳥」ほか夜行列車が走り抜けていましたが、2016年に北海道新幹線が開業すると、在来線の旅客列車は走らなくなりました。

 なお、JR以外に目を向けると、10000mを超える鉄道トンネルは全国にひしめき合っています。新幹線開業でJRから第三セクターへ移管された路線や、旧国鉄の元で建設され、結局第三セクターで開業した路線など、山岳区間を長大トンネルで一気に抜けていく区間が日本各地にあります。
 
【了】
※一部修正しました(9月14日11時43分)。

【画像】えっ…!これが「5つの会社」に分割される「北陸本線」です

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コメント

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1件のコメント

  1. 青函トンネル区間は北海道新幹線と海峡線の共用という扱いで、新幹線でもあり在来線でもある区間です。新幹線に在来線列車が乗り入れているという位置づけではありません。(北海道新幹線が開業した際、在来線としての海峡線は廃止されていません。)
    ですので厳密にいうとJR在来線トップの座は、いまも青函トンネルが維持しているのではないかと。旅客列車が走る区間限定ということにしても、団体臨時列車(四季島)が走りますからやはり該当します。
    もちろん同時に新幹線トップでもあり、国内トップでもあります。