ハンヴィーと全然違う! 原型ベンツGクラスの新軍用車「カラカル」の実力 元米軍将校も感服

独ラインメタル社が開発した新型の軍用4駆「カラカル」。元米軍将校で空挺部隊経験者が実車を見てきました。実物はまさに「痒いところに手が届く」作りだったのだとか。「イイね!」と感じたポイントはどこなのでしょうか?

これこそ「ハンヴィー」の後継に相応しいクルマ!

 ラインメタルのブースに足を踏み入れると、そこにはグリーンとブラックのツートーンで塗装された「カラカル」が展示されていました。メルセデス・ベンツ「Gクラス」をベースとした車体ながら、最初の印象は実直で質実剛健なクルマだというものでした。

 展示車は、温暖地域における偵察仕様のようでした。防弾パネルは最小限で、軽快さを重視した構成です。注目したのは、装甲板の取り付け方。カラカルの装甲は完全なモジュラー式となっており、カーテン・レールのような形で車体の左右と後方に、任務に応じて付け足す仕組みになっています。これだと、もし被弾などして装甲パネルが損傷しても、その箇所だけ交換すればOKです。

 この造りを見て、筆者は「これこそハンヴィーの後継車両に必要だったものだ!」と感じました。

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1980年代前半、採用されたばかりのころの「ハンヴィー」。当時はほぼ無装甲だった(画像:GMジェネラル)。

「ハンヴィー」は1980年代からアメリカ全軍で使用された高機動4輪支援車両であり、筆者も訓練、実戦問わずだいぶ世話になったクルマです。「カラカル」を見た時、脳内で対比させたのは、アメリカ軍で過去実施された「ハンヴィー」の後継トライアル、「JLTV」計画でした。

 筆者が現役だった2000年代初め、「ハンヴィー」の性能は限界に来ていました。同車は非装甲のため、イラクやアフガニスタンにおける非対称戦、いわゆる対テロ戦争でパトロール任務に投入され、多くの被害を出してしまったのです。そこで、無理やり防弾パネルを後付けするといった改良が行われたものの、今度は重量増によりサスペンションやエンジンに不具合が発生する始末。車内についても、次々に追加される最新機材(衛星通信システムだの、爆発物妨害装置だの…)により、どんどんと窮屈になっていきました。

 座席に関しても、2000年代から一般化した個人用ボディアーマーの着用を前提とした設計でないため、とても動きづらかったのを覚えています。だからこそ、アメリカ陸軍は「ハンヴィー」に替わる後継車両を早急に開発する必要に迫られたのです。こうして生まれたのが「JLTV」でした。

【ハンヴィーとは雲泥の差?】新型軍用車両「カラカル」運転席&車内の様子(写真)

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