ハンヴィーと全然違う! 原型ベンツGクラスの新軍用車「カラカル」の実力 元米軍将校も感服

独ラインメタル社が開発した新型の軍用4駆「カラカル」。元米軍将校で空挺部隊経験者が実車を見てきました。実物はまさに「痒いところに手が届く」作りだったのだとか。「イイね!」と感じたポイントはどこなのでしょうか?

「空挺車両」の名は伊達じゃなかった!

 とはいえ、JLTVは当時問題になっていたIED(テロリストが多用する即席爆破装置)への生残性を最優先するあまり、サイズも重量も「ハンヴィー」とは比べ物にならないほど大きくなくなってしまいました。「ハンヴィー」は装甲の有無により大きく異なるものの、重量は2.2~4.6tです。

 それに対して、JLTVに採用されたオシュコシュ社の「L-ATV」は6.4t(装甲は固定式で外せない)もありました。これはアメリカ国防総省が出したRFI(いわゆる仕様要求書)通りに造っただけで、メーカーに罪はないのですが、実物を見たら筆者も思わず「やりたいことは理解できるけど、ここまでデカくなっちゃったか…」と、ため息をついたほどです。

 国防総省はのちに「JLTVはハンヴィーの後継というわけではない」とも言いましたが、言い訳としてはちょっと苦しい部分があるでしょう。

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2007年、イラクで治安維持活動にあたるアメリカ陸軍の「ハンヴィー」。フロントバンパーに取り付けている黒板状のものがIED(即席爆発装置)の起爆妨害装置。軽快さなどみじんも感じないほど重装甲に変貌している(飯柴智亮撮影)。

 ちなみにアメリカ軍には、こうした例が少なくありません。たとえば1990年代に行われた特殊部隊向け拳銃の開発、SOCOMピストル計画では、過大な要求を並べたRFIを提示した結果、バカでかい拳銃ができあがってしまい、「珍銃」として歴史にその名を残しています。筆者としては古巣の悪口を言いたくありませんが、ホント進歩がないのは呆れます。

 話を「カラカル」に戻しましょう。前述のとおり同車の装甲はモジュラー式であり、任務に応じたセットアップが可能です。エンジンとサスペンションは増加装甲や、RWS(リモート武器システム)、対戦車ミサイルのような重装備の追加にも対応可能で、車内も拡張性が考慮された造りになっています。

 最大重量は4.9t、空輸時は最大4.4tで、サイズは「ハンヴィー」とほぼ同じ。これなら問題なくC-17輸送機からパラシュートでヘヴィー・ドロップ(重量投下)できるし、CH-47輸送ヘリコプターならスリング・ロード(吊り下げ輸送)も行えます。

 アメリカ陸軍で言えば、空挺(Airborne)の第82空挺師団と、空中強襲(Air Assault)の第101空挺師団、両方の部隊とも運用可能で、「空挺車両」という謳い文句は伊達ではないと言えるでしょう。

【ハンヴィーとは雲泥の差?】新型軍用車両「カラカル」運転席&車内の様子(写真)

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