珍事「力士が多すぎて飛べないので臨時便」なぜ発生? 安全運航の“公約”守ったJALの判断
力士には通用にしない「重量計算方法」、でもJALは臨機応変に…
旅客機では事前に定められた「標準乗客重量」を使い、乗客全体の重量を算出します。標準重量は国内線と国際線で異なり、夏と冬、方面別でも細かく違いますが、おおよそ1人70 kgとして計算されています。
今回の臨時便では、国体の相撲競技の開催により、羽田と伊丹から奄美大島へ向かう便に関係者が多かったため乗客の重量を標準の1.7倍になる120kgで計算したところ、使用機材のボーイング737-800では規定により総重量の制限がかかり、奄美大島まで必要な燃料を搭載できないことが判明しました。
奄美空港の滑走路は全長2000mと短いため大型機への変更も難しく、このために、伊丹発の搭乗予定者はいったん羽田へ移動してもらい、羽田発の臨時便を出したというわけです。
今回の事例のインパクトはかなり大きいもので、SNS上でかなり“バズる”事態となりましたが、航空会社にとっては「マニフェスト」を守ったという、日々の運航で必要なことを行った結果でした。
ちなみに、奄美大島は日本一土俵が多い島と呼ばれるほど相撲が盛んで、島で初めて国体が開かれるのが話題になっています。これらに加えて、今回の臨時便も話題の一つにしてよいでしょう。運航関係者が「マニフェスト=公約」を守った結果ということなのですから。
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Writer: 清水次郎(航空ライター)
飛行機好きが高じて、旅客機・自衛隊機の別を問わず寄稿を続ける。
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