イメージ変わる?“EVゴミ収集車”が超スタイリッシュ ブォォォンっていわない! 使い勝手はどうなのか?
ジャパンモビリティーショーで三菱ふそうがEV小型トラック「e-キャンター」をベースにしたゴミ収集車を出品。従来のゴミ収集車よりもスタイリッシュになっています。EVならではの静かさも評価されているものの、課題もあるようです。
ゴミ収集車もEV化へ
ジャパンモビリティーショー2023で三菱ふそうが、EV小型トラック「e-キャンター」をベースにしたゴミ収集車を出品しています。従来型のゴミ収集車とくらべ、その見た目も実際の作業も変わる点が少なくありません。
出品されているゴミ収集車はモリタエコノスが架装したもので、同社は「EV回転式塵芥収集車 eパックマスター」の名で打ち出しています。従来のゴミ収集車は後部が膨らんだような形ですが、「建築物との調和」「汚れの溜まりにくい構造」を目指したという直線基調かつフラットなデザインで、どこかモダンな印象を受けます。
大きなメリットは、排ガスを出さない環境性能だけでなく、EVならではの静粛性も挙げられるでしょう。電源のために収集作業中もエンジンをかけなければならない従来型と比べ、走行中も作業中も静かになります。モリタエコノスの担当者によると、5月に発表し、すでに複数の自治体から受注があるそうです。
この車両は、積み込んだゴミをタンクの内部へ押し込む「回転板式」で、一般ゴミの収集がメイン。2トン車ベースの小型車にあたりますが、従来の小型車の積載容量が2550kgだったのに対し、こちらは1850kgだそう。これはバッテリーの分、積載容量が少なくなっているそうです。
また、作業中の電気はエンジンに替わって走行バッテリーからとるようになります。そこでEVならではの装備として装備されたのが、テールゲート上部の「積込作業負荷状況のインジケーター」です。
たとえば固いものを詰め込んで回転板の動きが悪くなると、バッテリーへの負荷が大きくなります。その負荷の具合をインジケーターで表示することで、「積み込みを少しゆっくりにしよう」といった判断の目安になるそうです。
走行距離は課題のひとつかもしれません。モリタエコノスの担当者によると、現状ではフル充電の状態から1日走るのではなく、お昼に継ぎ足し充電をする想定だそうです。「ゴミ処理場までの距離が長くないようなところでは向いている」といいます。
ゴミ収集車のベースとなるEVの小型トラックとしては、いまのところ「e-キャンター」に分がありますが、日野もいすゞも小型のEVトラックをラインアップしてきています。今後さらに、ゴミ収集車のEV化が進むかもしれません。
【了】
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