高速道路の「除雪」ついに“自動化”開始 熟練の技術どう代替? 人の目よりも正確な“位置情報”
6年を経てついに始まります。
北海道の高速道路で始まる“除雪自動化”
冬の道路を支える除雪作業がついに“自動化”されます。NEXCO東日本が2023年度シーズンより、道央道の岩見沢IC~美唄IC間にて、新技術を搭載した自動ロータリー除雪車2台の運用を開始します。
除雪車の操作には熟練の技術が必要とされますが、そのオペレータの高齢化や労働人口の減少、さらに“建設業2024年問題”への対応で、必要な作業員の確保は喫緊の課題だといいます。それに対応するため、NEXCO東日本は準天頂衛星「みちびき」を活用した「運転支援システム(ガイダンスモニター)」を開発し、これを除雪車に適用すべく検証を行ってきました。
このシステムは、正確な位置情報を除雪車の作動制御装置に連動させ、除雪車の走行と作業の操作を自動化。オペレータはステアリングやレバーなどに触れることなく、正確な走行と除雪作業が可能とのこと。
なお、除雪車の乗員2名を1名にすることを目指していますが、当面は2名乗務で天候や交通状況などに応じた乗員数を検証するとのことです。
除雪作業は24時間体制で求められ、常に高い注意力を必要とする過酷な作業が早朝深夜を問わず長時間に及ぶそうです。また降雪や吹雪の影響で、道路の外側線やガードレールや自車の位置が把握できないといった技術的課題もあったとのこと。
これに対し新システムは、準天頂衛星の活用によりGPSの位置測位と実際の位置との誤差が数cmになるとされていました。高精度の地図情報に基づく運転支援システムにより、道路下に民家や交差道路がある場所など投雪禁止区間では自動で投雪をやめるといった制御もできるといいます。
準天頂衛星を活用したガイダンスモニターの開発から6年、夕張のテストフィールドや高速道路本線で走行試験を重ねてきた成果がいよいよ具現化されます。
【了】
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