フェリーじゃないよ「RORO船」新造船が続々? トラックの受け皿とエコ両立の工夫「刃物のような船首」とは

新造のRORO船「ふがく丸」が進水。フェリーとともに、トラック輸送からの転換の受け皿となる船ですが、環境性能も両立させなければなりません。そのひとつの工夫が、上から下までストンと垂直に落ちるようなラインの船首です。

RORO船も需要爆上がりか!?

「ふがく丸」の竣工は2024年4月で、名古屋~豊橋~鹿児島~沖縄航路へ投入される予定です。三菱造船とフジトランスは新造船整備の意義として「海上モーダルシフト(輸送手段の転換)のニーズ拡大」を強調しています。

 2024年には時間外労働の上限規制などが自動車運転業務にも適用され、ドライバー不足に加えて物流コストが上昇することで、国内物流が停滞する「2024年問題」が顕在化しています。政府は「2024年度には14%、2030年度には34%の輸送力不足の可能性がある」と指摘。2023年6月に「物流革新に向けた政策パッケージ」を策定し、「フェリー・RORO船の輸送力増強を進めるとともに、船内でのトラックドライバーの休息環境の整備を進める」ことを明記しました。

 さらに政府は10月、「物流革新緊急パッケージ」を発表し、鉄道貨物と内航フェリー・RORO船の輸送量・輸送分担率を今後10年程度で倍増させる目標を設定しています。

Large 20231109 01
進水式の様子(深水千翔撮影)。

 国土交通省も、フェリー・RORO船による輸送がドライバーの実労働時間の短縮に効果があり、環境負荷低減や災害時の緊急輸送手段としても活用できることから、モーダルシフトの受け皿とすべくターミナル機能の強化へ動きだしました。具体的には船体の大型化に対応した岸壁などの港湾施設の整備や、荷役の効率化に向けたシャーシ位置管理システムの整備、冷凍・冷蔵コンテナに対応したリーファープラグの設置などがあります。

 現在、RORO船の建造は「ふがく丸」のように既存船のリプレースが中心ですが、トラック輸送から船舶へ転換する需要が増えてくれば、さらなる大型船や新規航路向けの新造船が出て来ることも考えられます。三菱造船はフェリー・RORO船で豊富な実績を持っていることから、今後も同船種を積極的に受注し建造していくと見られます。

【了】

【スゲー存在感!!】これが「超巨大刃物みたいな船首」です(写真)

Writer:

1988年生まれ。大学卒業後、防衛専門紙を経て日本海事新聞社の記者として造船所や舶用メーカー、防衛関連の取材を担当。現在はフリーランスの記者として活動中。

最新記事

コメント

記事ランキング

  1. 家族が「SSSS航空券」を引き当ててしまった…! 乗る前から“異変” 保安検査員も「Oh…」 誰でも起こり得る“緊迫の一部始終”
  2. ロシア軍の爆撃機が「真っ逆さまに墜落」 地上に激突する瞬間を捉えた映像が公開 “巨大な黒煙”が立ち上る
  3. “まるで高速”な無料バイパス「全線4車線化」へ変貌開始! 一部の上下線分離まもなく 対面通行を解消 国道8号
  4. 飛行中の「日の丸特別機」に粋なサプライズ! 天皇皇后両陛下を“最新ステルス戦闘機”がお出迎え
  5. 「危なすぎる!」阪神高速“中の人”がブチギレ!? “衝撃動画”とともに呼びかける「ドライバーが守るべき3つのこと」とは
  1. 家族が「SSSS航空券」を引き当ててしまった…! 乗る前から“異変” 保安検査員も「Oh…」 誰でも起こり得る“緊迫の一部始終”
  2. あと1年足らずで「現金でバス乗れなくなります」 全路線“完全キャッシュレス化”疑問に応えるサイト開設 京王バス
  3. ETCの手前で「ガシャン!」高速入口に吊るされた「黄色い鎖」の正体は? 傷つく覚悟で“あえてぶつける”超アナログな理由
  4. ロシア軍の爆撃機が「真っ逆さまに墜落」 地上に激突する瞬間を捉えた映像が公開 “巨大な黒煙”が立ち上る
  5. 「“再有料化”でいいから4車線化して」→普通車280円になって1年 利用者負担で勝ち取った“効果”あきらかに 八木山バイパス