高速道路「新・深夜割引」どこまで複雑になるのか 複雑すぎて“後日還元型”に 実際どう割り引かれるの?

割引は“いつ”還元されるのか?

 これまでは、対象時間帯に走りさえすれば3割引となったので、計算も容易でしたが、今後は“実際にどう走ったか”も割引に影響してくるため、事前に正確な料金を計算することは困難になると見られます。国土交通省の審議会資料によると、料金所通過時に割引適用後の料金を表示することも難しくなるため、後日還元型に移行するということです。

 その還元方法も、一般的な「ETCクレジットカード」を持っている人と、法人用のETC「コーポレートカード」を持っている人で異なります。いずれも、料金所通過時には通常料金が表示されます。

・ETCクレジットカードで利用する場合:ETCマイレージポイントで還元。
・ETCコーポレートカードで利用する場合:法人向けの「大口・多頻度割引」と合わせて割引処理。

 ETCマイレージポイントでの還元は、現行の「平日朝夕割引」でも実施されており、この割引では、その月(1日から末日まで)の割引対象となる利用回数に応じて還元額を月ごとに合計、利用月の翌月20日にマイレージを付与します。なお、ETCマイレージサービスに事前登録しなければ割引は適用されません。

 NEXCO東日本によると、深夜割引のマイレージ付与のタイミングについては、まだ具体的になっておらず、平日朝夕割引と同じになるかどうかは分からないとのことでした。

 主に法人向けの割引となる大口・多頻度割引は、窓口となる高速道路会社が車両の走行データをもとに1か月分の料金をまとめて請求し、それを翌月末までに支払う方式です。その走行データの計算で、深夜割引分が考慮される形になると考えられるものの、こちらも「どのタイミングで深夜割引を適用するかは具体的には決まっていません」(NEXCO東日本)ということです。

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新たな深夜割引は料金所の通過時には反映されない見込み(乗りものニュース編集部撮影)。

 ただ、料金検索サイトなどにおいては、「利用ICと経路などから、一定の想定に基づく割引額を調べられるようにすることを検討しています」(同)。実際の割引額と必ずしも合致しないものの、事前に目安の割引額は調べられるようになるかもしれません。

 なお、上記の上限案についてNEXCO3社は現在、11月20日まで利用者からの意見募集を実施しています。

【了】

【な、なんじゃこりゃ…】複雑化する「深夜割引」の見直し案(画像)

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