なぜ車を壊す?「ストリートファイター」シリーズ伝統のボーナスステージが生まれたワケ 車種も時代とともに変化

貿易摩擦という世相を反映!?

『ファイナルファイト』のボーナスステージが「JAPAN」と書かれたクルマを破壊する形式になった理由は、『ファイナルファイト』や『ストリートファイターII』の生みの親で、現在はゲーム制作会社アリカの代表取締役社長である西谷 亮さんが公式X(旧:Twitter)で次のように明かしています。

「車壊しのボーナスステージ。もちろん車を壊すことは決まっていた。(当時日本車が売れすぎていて、海外で日本車を破壊するという事件が本当に起きていた)」

 1980年代、日本はアメリカとの自動車をめぐる貿易摩擦で大きな政治問題を抱えていました。日本車に押され、アメリカではゼネラルモーターズ(GM)が生産規模を大幅に減らしリストラを行うなど、失業者が続出。怒った全米自動車労働組合(UAW)の組合員などが、自身らを脅かす日本車をハンマーで叩き壊すパフォーマンスなどをしていました。

 なお、『ファイナルファイト』は元々、初代『ストリートファイター』の続編を出して欲しいというカプコンUSAの要望から、『ストリートファイター'89』の仮タイトルで開発をスタートした経緯があります。そのため、クルマ破壊のほかにも“最も危険な公共機関”と言われた1980年代ニューヨークの地下鉄風景を意識したステージを作るなど、アメリカの当時の世相を強く反映していました。

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親切に破壊できる場所まで教えてくれる『ファイナルファイト』のボーナスステージ(画像:『ファイナルファイト』のゲーム画面をキャプチャー(c)CAPCOM)。

 ちなみに、歴代タイトルでは、クルマ破壊ボーナスステージが登場しなかったものもあります。ストIIの続編である1997年2月稼働の『ストリートファイターIII -NEW GENERATION-』では、最初クルマ破壊はなく、1999年5月から稼働開始した『ストリートファイターIII 3rd STRIKE』で復活。この時は三菱「パジェロ」やトヨタ「ハイラックスサーフ」を彷彿とさせるSUVが破壊する対象になっています。

 続く『ストリートファイターIV』も最初はクルマ破壊がありませんでしたが、2010年4月から販売を開始した『スーパーストリートファイターIV』で、セダンタイプのクルマを破壊するボーナスステージが追加されました。『ストリートファイターV』ではシリーズ通してクルマ破壊はナシ。そして『スト6』でアメリカの大型トラックを思わせる車両を破壊する形式となりました。

【了】

【全公開!】歴代ストリートファイターで“破壊された車種”(画像)

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コメント

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1件のコメント

  1. いずれはM1戦車を破壊する日もやってきたりして