「1灯式」は“災害にも弱い”? 全国で数減らす信号機 点滅の“意味”伝わらず

数ある信号機の中で、その数を減らしているのが「1灯点滅式信号機」です。赤色・黄色のみが点滅する、その意味について認知度が低下しているという指摘もある中、「災害に弱い」という理由で撤去を進める地域もあります。

災害にも弱い? 1灯点滅式信号機

 山梨県の南甲府警察署が2023年11月、公式X(旧Twitter)へ「1灯点滅式信号機」に関する動画を投稿しました。添えられた文章には以下のように記されています。

「1灯式信号機は災害に弱い上、生産終了のため災害等で故障が発生しても修理することができません。県警では、1灯式信号機を撤去し、災害に強く効力の高い『一時停止』規制への変更を順次行っています。優先的な変更をご希望の際は、自治体等を通じて管轄の警察署へご相談ください」(絵文字略)

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赤色のみの1灯点滅式信号機(大藤碩哉撮影)。

 ここでいう1灯点滅式信号機とは、赤色もしくは黄色のみの信号機のこと。意味は、赤点滅なら「一時停止」、黄点滅なら「周りの交通に注意して進むことができる」です。ただ、地域によっては見かけない信号機でもあるため、意味が十分に浸透していないという指摘もあります。

 ところで、南甲府署がいう「災害に弱い」とはどういうことでしょうか。交通課は次のように話します。

「理由は2つあります。ひとつは1本のアームで吊り下げている構造上、標識に比べもろいのです。地震の際は倒壊リスクが大きくなります。もうひとつは落雷などで電力供給が停止した際、規制効果が全くなくなることです。標識なら、その心配がありません」

 生産終了についても詳しく聞いたところ、「1灯式用の制御機を、メーカーが製造していない」とのことでした。これは山梨県に関わらず全国的なことだといい、「故障してしまうと、修理が困難になります」(交通課)としています。

 警察庁 交通規制課は2021年3月、全国の警察へ向け「信号機設置の指針」と題した通達を出しています。その中の一項目「信号機の撤去の考え方」には、「1灯点滅式信号機その他の常に灯火の点滅を行っている信号機については、一時停止の交通規制その他の対策により代替が可能な場合は、信号機の撤去を検討するものとする」という記述があります。これが、1灯点滅式信号機が全国的に数を減らしている理由です。

 前出の南甲府署 交通課は「減ることによってさらに意味の認知度が下がるというスパイラルも起きているのでしょう」と話しました。事実、佐賀県警は2021年、「1灯式信号機の交差点では信号無視による事故も多く、交通事故の抑止効果は薄い」との見解を示しています。

【了】

【写真】あるじゃん! LEDの「新型1灯式信号機」(画像で見る)

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