大阪の有名企業に「巨大な高射砲」なぜ!? 日本唯一のお宝 それは専務の夢であり「資料です」

大阪府にあるフィギュアや食玩などで知られる造形メーカーの海洋堂。ミリタリー模型なども数多く手掛けていますが、同社の倉庫にはなんと第2次大戦で使用された巨大な高射砲が眠っています。現地へ行き、取材してきました。

飛行機だけでなく戦車も撃破!

 この門真の街中にあるドイツ製8.8cm高射砲、その源流は今から100年以上前の第1次世界大戦にさかのぼります。

 同大戦は、飛行機が戦場に登場して急速に発展を遂げた戦いであり、上空に飛来する敵機を撃ち落とすべく1917年に生まれたのが、始祖といえる8.8cm Kw Flakになります。

 この砲はクルップ社とエアハルト社(後のラインメタル社)が開発したもので、高速での連続射撃が可能なよう、自動排莢式かつ水平スライド式の尾栓を備え、上から見て十字型で360度旋回式の砲架に載せられていたのが特徴です。ただ、大戦後のドイツは新兵器開発を禁じられたため、クルップ社はスウェーデンの兵器メーカーであるボフォース社に技術者を派遣して、共同研究という体で新たな高射砲の開発を進めます。

 その結果、1928年には8.8cm Flak18型が誕生します。この高射砲は牽引車で運ばれて、1門につき指揮官以下の砲手や装填手、測距手など6名以上のチームで運用され、練度の高いチームなら1分間に15~20発とこれまでの高射砲の倍の速さで発射できました。

 加えて対空射撃時の有効射程は高度8000m近く、最大射程では同1万m以上にも達しました。なお、水平射撃(対地射撃)も可能でしたが、その場合は大口径大威力ゆえに車両などの目標に対してはほぼ無敵な存在でした。

 その後、Flak18型をベースに改良したFlak36型およびFlak37型が開発されますが、砲としての基本設計は同じで、砲身の互換性もあったほどです。

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第2次世界大戦中、北アフリカ戦線において連合軍戦車に対して使用されるFlak18型高射砲。地上目標に対しての最大射程は1万4000m以上にも達した(吉川和篤所蔵)。

 これらドイツ生まれの8.8cm高射砲は、1936年7月に始まったスペイン市民戦争で初めて実戦に投入されます。そこで、対空兵器としての有効性を証明したのち、ドイツ空軍と陸軍にも配備されました。

 第2次大戦では射撃指揮装置と組み合わせて防空任務に就き、ドイツ本土上空に飛来するアメリカやイギリスなどの連合軍爆撃機を多数撃墜しました。

 また1940年の対フランス戦では、既存の対戦車砲が効かないほどぶ厚い装甲を纏ったイギリスの「マチルダII」歩兵戦車やフランスの「シャールB1」戦車に対して8.8cm高射砲が水平射撃を敢行。見事に撃退するという戦果も挙げています。なお、同様の使い方は、1941年以降の北アフリカ戦線やロシア戦線でもしばしば行われています。

 こうした高い性能を持っていたため、後に8.8cm高射砲は対戦車砲にも改良されて8.8cm Pak43となったほか、ティーガーII重戦車やエレファント重駆逐戦車の主砲(71口径8.8cm戦車砲)にもなっています。

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