線路が枝分かれしまくる「広大な貨物駅」が減ったワケ 今の主流は「ピットイン型」!? 時代に消える「職人技」とは

日本にある貨物駅は、かつての「広大に枝分かれする」形から、スリムな構造に変わりつつあります。なぜそのような変化が起きているのでしょうか。

「コンテナを迅速積み降ろし」に特化の最新貨物駅

 ここでは本線と並行して線路(着発線)を何本か引き、線路の横には広いホームを設置。コンテナ列車が到着すると、ホームで待機する大型フォークリフト、トップリフターが数台がかりで一気にコンテナの積み降ろしを行い、作業が終了すると貨物列車はそのまま直進して本線に戻ります。

 コンテナ貨車の入れ替えは通常行わず、コンテナの積み降ろしだけに専念します。また入替機関車も不要な例が大半で、本線を走る電気機関車がそのまま駅構内に入線します。これにより従来の「手の平型」に比べシンプルでスムーズな貨物扱いが可能となりました。

 いわば本線上で直接荷捌きを行うため「発着線荷役方式」とも呼ばれ、F1などレーシングカーがタイヤ交換や燃料補給のためにピットインし、待機するスタッフが素早く作業を行い、あっという間に作業を終えてクルマがそのまま直進して本ルートに合流する姿とよく似ています。

 ほかにも工夫があります。大型フォークリフトなどが積み降ろしをする場合、線路上空の架線が邪魔でしかも非常に危険となります。そこで架線の位置は可能な限り高くしておき、機関車はパンタグラフを思い切り伸ばして入線、到着したら安全のために荷捌き部分の架線だけ電気を切るというシステムが導入されているのです。

「ピットイン型」と呼ばれるE&Sは1986年の岐阜貨物ターミナル駅が最初で、ほかにも横浜羽沢駅(神奈川、東海道貨物線)、吹田貨物ターミナル駅(大阪、東海道本線)、北九州貨物ターミナル駅(福岡、鹿児島本線)など、現在30駅以上あり、今後も徐々に数を増やすようです。

【了】

【画像】えっ…!? これが超シンプルな「最新型」の貨物駅です

Writer:

1962年、東京生まれ。法政大学文学部地理学科卒業後、ビジネス雑誌などの各編集長を経てフリージャーナリストに。物流、電機・通信、防衛、旅行、ホテル、テーマパーク業界を得意とする。著書(共著含む)多数。日本大学で非常勤講師(国際法)の経験もある。

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