「世界一の戦闘機エースパイロット」驚異の記録 ドイツ空軍“伝説のエリート部隊”の盛衰

第2次世界大戦で撃墜数が突出して大きいのが、ドイツ空軍の戦闘機パイロットでした。中でも東部戦線で戦ったエリート部隊「第52戦闘航空団」のエースパイロットたちは驚異的な撃墜記録で、いまなお伝説として語られています。

空前絶後「300機以上」撃墜の記録

 第52戦闘航空団がエース部隊として特に抜きん出ているのは、撃墜数300機を超える超人的なエースを2名も擁していたという事実でしょう。航空史上、300機以上の撃墜記録を残した戦闘機パイロットは、同航空団に所属したエーリッヒ・ハルトマン(352機)と、彼の上官で飛行隊長ゲルハルト・バルクホルン(301機)の2人しかいません。

 トップ・エースのハルトマンは、ドイツ本土で訓練後の1942(昭和17)年10月、20歳でいきなり東部戦線の第52戦闘航空団に配属され、以後、1945(昭和20)年5月8日までに出撃1405回、撃墜数352機を記録しました。この撃墜記録は航空史上最多であり、今後も記録が破られることはないでしょう。

 第52戦闘航空団のエースパイロットには主に2つのタイプがありました。1つは格闘戦を好み力技で相手をねじ伏せる武闘タイプ。もう1つは深追いを避ける一撃離脱戦法の頭脳タイプ。後者のタイプの代表にして第一人者がエーリッヒ・ハルトマンでした。彼らは旧ソ連空軍の対地攻撃機IL-2「シュトゥルモビク」とその護衛戦闘機を相手にしていました。

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終戦後にベルリン上空を飛ぶ旧ソ連のイリューシンIL-2対地攻撃機(パブリックドメイン)。

 ハルトマンらの乗機は、1942(昭和17)年後半から生産された後期量産型のメッサーシュミットBf109Gでした。ドイツ空軍はフォッケウルフFw109など後継機を開発していますが、Bf109は改良を重ねて多くの改良型を生み出しながら終戦まで主力戦闘機として使われました。これは旧日本海軍が零戦を終戦まで使い続けたことに似ています。ドイツや日本だけでなく、イギリスもスピットファイアやハリケーンを終戦まで使っていました。

 それらに対して米軍はというと、開戦時に登場した海軍のF4Fワイルドキャットは最後まで現役でしたが、陸海軍とも国力にものをいわせて大戦中に多くの新鋭機を投入しています。他国に比べて、戦闘機開発において米軍は特別だったといえるでしょう。

【肖像】これが「世界一の戦闘機エースパイロット」ハルトマンと愛機です(写真)

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