独Me163「コメート」はなぜ「恐怖の彗星」と呼ばれた? 史上唯一のロケット推進戦闘機

第2次世界大戦期のドイツで誕生したロケットエンジン搭載の戦闘機、Me163「コメート」は、「恐怖の彗星」というふたつ名で呼ばれました。さぞ連合国側へ恐怖を与えたのかと思いきや、少々、話が違いました。

ロケットエンジン戦闘機、初の実用化

 第2次世界大戦期のドイツ空軍に、「恐怖の彗星」と呼ばれた戦闘機がありました。1942(昭和17)年に量産が開始されたその戦闘機は、世界初のロケットエンジンを搭載し、世界で最初に1000km/hを突破した画期的な戦闘機でした。その名はMe163「コメート」。ドイツ語で「彗星」(英語では「コメット」)の名を持つ戦闘機です。

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国立アメリカ空軍博物館所蔵のMe163「コメート」(画像:アメリカ空軍)。

 当時のレシプロ機の最高速度が600km/hから800km/h程度ですから、1000km/hを超える「コメート」の飛行能力(量産型の最高速度は諸説あり960km/h前後といわれる)は、やはり「恐怖の」と冠されるにふさわしいものに思えるでしょう。しかし、実情はちょっと違うようでした。恐怖の彗星「コメート」とはどのような戦闘機だったのでしょうか。

「コメート」の開発が進められていた1920年代は、世界各国でロケットエンジンを動力とした戦闘機の開発が進められていました。しかし、当時のロケットエンジンは燃焼の制御が非常に難しく、なかなか実用化にこぎつけるまでにはいたりませんでした。そうしたなかで、なんとか実用化できたのがこの「コメート」だったのです。ドイツ軍は求めていた以上の上昇力とスピードに喜びました。

 しかし、喜んでばかりもいられませんでした。大きな問題も多発していたのです。

【写真】「コメート」そっくり、旧日本軍の試作戦闘機「秋水」

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