あまりに代償デカすぎた「ロシア兵器購入」 孤立するトルコ空軍、本当に「中パ製の戦闘機」を選択するのか?
トルコが、中国・パキスタン共同開発の戦闘機を導入するかもしれないと、一部メディアで報じられました。本当でしょうか。そもそも最新ステルス戦闘機F-35の導入を目指していたはずなのに、どうしてそうなったのか、振り返ります。
なぜパキスタン製戦闘機を検討するのか
トルコ空軍は2024年1月現在、次期戦闘機としてPAC(パキスタン・アエロノーティカル・コンプレックス)が中国の支援を受けて開発したJF-17「サンダー」戦闘機の導入を検討していると一部メディアで報じられています。
JF-17「サンダー」は、ロシア製のMiG-29双発戦闘機が搭載するエンジンと同じものを1基搭載する小型機で、韓国のFA-50やスウェーデンのJAS39「グリペン」などに相当する「取り回しの良さ」を特徴とする軽量級の戦闘機です。また、海外セールスにも成功しており、現在約200機近くが生産されています。
トルコは、もともとアメリカ製の高性能なステルス戦闘機F-35「ライトニングII」を導入しようと計画を進めていました。JF-17とF-35は全く別次元の機種であり、本来同じ市場で競合するような機種ではありません。
しかし、トルコが「F-35の調達に失敗した」事実を鑑みると、その穴埋めとして同国がJF-17を選択したとも考えられます。なぜこのような事態に陥ってしまったのでしょうか。
トルコはNATO(北大西洋条約機構)の加盟国であり、またEU(欧州連合)への加盟を目指すなど名目上はヨーロッパ諸国の一員ですが、他方で極めて強い自立意識を持っており、ロシアとの関係を強めるなど東西陣営に対して距離をとる政策を堅持しています。
ただ、この姿勢がトルコをヨーロッパ諸国から孤立させる結果につながったともいえるでしょう。
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