「東西線で屈指の異色車両」特別な姿に変身!まさかの「営団地下鉄」時代に逆戻り

東京メトロとクラブツーリズムが、東西線の深川車両基地で撮影会を開催。イベントの目玉となったのは「東西線で唯一の異色車両」でした。

05系唯一の「未更新車」で営団地下鉄時代を再現

 東京メトロは2024年2月3日(土)、クラブツーリズムとの共同企画となる「東西線全線開業55周年記念撮影会in深川車両基地」を開催。このイベントでは、東西線で活躍している05系の1編成を対象に、営団地下鉄時代の姿が再現されました。

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深川工場のクレーンで吊り上げられる05系(乗りものニュース編集部撮影)。

 撮影会で展示された車両のひとつが、05系の「05-124編成」です。05系は営団地下鉄時代の1988年に登場した車両ですが、05-124編成は同形式のなかで唯一、大規模更新工事(B修繕)を受けずに残っている編成で、外観は登場時の原型をとどめています。また、先代車両5000系のアルミを再利用して製造された「アルミリサイクルカー」であることも唯一です。
 
 ただ05-124編成にも今後、大規模更新工事が施工される予定です。工事の完了後は、車体の塗色が変更され、前面に排障器が取り付けられるなど、外観が大きく変わります。今回のイベントは、最後の未更新車両が営団地下鉄時代の面影を残しているうちに、登場時の姿を復刻するというものでした。
 
 イベントではまず、深川車両基地内で車両をクレーンで吊り上げる作業が公開されました。約25tの車体を約15tのクレーンで持ち上げる様子は圧巻。深川車両基地はめったに一般公開されないため、貴重な光景を見ることができました。
 
 その後、基地内の留置線に並んだ05系と15000系の2編成の撮影タイムに。05系の前面には営団地下鉄時代の「Sマーク」が取り付けられました。ここでは、約6分間隔で車両の行き先表示を変えたり、現場の社員が作成したヘッドマークを取り付けたりと粋な計らいも。「葛西行き」「高田馬場行き」など、通常は存在しないレアな行き先も表示され、参加者からは歓声があがっていました。

 東京メトロによると、「撮影会は販売開始からわずか1時間で完売しました」とのこと。希少価値が高い編成を撮影できるということもあり、鉄道ファンからは大人気だったようです。イベントは現場社員から企画が持ち上がり、別の業務にチャレンジできる社内複業制度も活用しながら準備が進められてきたといいます。
 
 撮影会の参加費用は大人一人あたり1万2000円と、決して安価というわけではありません。同社の担当者は「有料の撮影会にすることで、殺伐とした雰囲気が無くなり、同じ嗜好を持つコアなファンが集まるイベントになります」(CX・マーケティング部)と話します。今回のイベントでも、参加者は落ち着いた様子で撮影や見学を楽しんでいました。

【了】

【画像】確かに営団地下鉄!これが変身した「東西線で唯一の異色車両」です

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