副都心線の「新駅」実現する? 開業時から存在する構想が「まちづくり方針」に明記
東京メトロ副都心線には、開業時から「新駅」を設置する構想があります。果たして実現するのでしょうか。
副都心線の開業時からある新駅構想
東京メトロ副都心線には、東池袋付近に新駅を設置する構想があります。東京都豊島区は2024年2月、「(仮称)東池袋駅周辺まちづくり方針(案)」を公表。ここに「副都心線の新駅を検証」していく方針を盛り込みました。果たして実現するのでしょうか。
東池袋エリアには現在、有楽町線の東池袋駅がありますが、副都心線に関しては付近を通過するだけで、駅はありません。同駅周辺では高層マンションの建設が進み、人口が増加しています。また、大塚や雑司ヶ谷方面からの来街者が急増しているほか、2023年9月に東京国際大学の池袋キャンパスが開校したことで学生も増えているといいます。
副都心線の東池袋駅については、1999年に豊島区と当時の営団地下鉄が、利用客が増加した時期に工事を実施する旨の覚書を交換しています。2022年度の乗降人員は3万8132人となっており、コロナ禍で直近の駅利用者は減少したものの、2019年度までは増加傾向が続いていました。
区は今般公表したまちづくり方針案で、東池袋駅周辺の交通結節点機能の強化を図る方針を明記。付近を通る都電荒川線やバスなどの連携を強め、あわせて副都心線の新駅を検証していくことを盛り込んでいます。ただ、実現のハードルはなかなか高そうです。
東京メトロは新駅について「新型コロナウイルスの影響による利用者数の減少もあり、今後もテレワークの進展などにより、利用者数は元には戻らないと考えています」としたうえで、「当社としては、既存の有楽町線東池袋駅の容量で十分対応可能な状況にあると考えています」(広報課)と話します。
今後については「利用の回復状況、有楽町線東池袋駅周辺の再開発による人流の変化や様子をみながら、現駅の容量を注視しつつ、引き続き、将来に向けたまちづくりに協力していきたいと考えています」という見解を示しています。
なお、まちづくり方針案には、東池袋駅から近いサンシャインシティ地区の機能更新や、その南側エリアについても開発を進める方針なども盛り込まれています。新駅が実現するかどうかは、今後のまちづくりの進捗による利用者増がカギになりそうです。
【了】
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