「US-2が助けてくれる」海洋国家の守り神は本当に“コスパが悪すぎる”のか 日本が持つ世界唯一の装備とは

運用コストは高い

 昔から海上の救難は問題でした。陸上なら万一の時でもなんとか不時着できますが、海では沈んでしまいます。1930年代に大型旅客飛行艇が黄金期を迎えたのは、信頼性の低い当時の技術でも、飛行艇ならとりあえず着水して沈まないという安心感があったからです。

 太平洋戦争時、アメリカ軍は日本にB-29戦略爆撃機を飛ばしました。しかし基地のあったサイパン島から日本までは往復約5000km。その間はほとんど海です。日本軍の迎撃で被害が出たり、故障してサイパン島までたどり着けなかったりすれば不時着水するしかありません。アメリカが大きな犠牲を払っても硫黄島に上陸占領したのは、B-29の不時着場を確保する意味もありました。それだけ陸上の滑走路には価値があったのです。

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3月上旬、海上自衛隊はUS-2を用いた救難訓練を実施。写真は訓練終了後に搬出される訓練用マネキン。出入口がかなり高い位置なのがわかる。本物の担架の場合はホイストケーブルを使う(月刊PANZER編集部撮影)。

 US-2は調達コストも維持コストも高価すぎるといわれます。世界唯一の救難飛行艇を運用するコスパが適正かは、安心安全の代価としてだけでなく、日本が責任ある海洋国家であることを国際社会に示す意味まで含めて、総合的に考える必要があると思います。

【了】

海に浮いとるぞ! 着水したUS-2を要救助者の目線で

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