「ホンダジェット」の独自設計「翼の上にエンジン」その未来は? “さらに大型化”に耐えられるのか

「これ以上デカくなったらエンジンどこ置くの?」

 結論から言えば、ホンダ・エアクラフト・カンパニーからは「現時点ではLJクラス以上の新たな機体の開発を行っていません」と回答を得ています。そのため、ここからは筆者の推測になります。

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「ホンダジェット」のエンジン部(相良静造撮影)。

 機体をさらに大型化すれば、エンジンも大きく重くなるでしょう。独特の配置を続けた場合、主翼構造を強化し重量も増加すると考えると、風洞実験で改めて配置や取り付け部の形状を探らねばならないでしょう。

 一方、競合機たちのエンジンが、一般的に機体最後部に配置されているのは、“無難”な設計のためと考えられます。

 ホンダがエシュロンの「次」を視野に入れた時、独特のエンジン配置を三度選ぶのか、一般的な配置を採るのか。「先進性・独創性」がホンダ流なら、「柔軟性」もメーカーに欠かせない資質です。また、航空機は自動車と異なり1つのモデルを長く製造するため、エンジン配置の選択はより重いものになりえます。航空機メーカーともなったホンダグループがどのような取り組みようを見せるのかは、長い目で見ても楽しみなポイントといえるでしょう。

【了】

【画像】でかい…! これが「未来のホンダジェット」のイメージです

Writer: 相良静造(航空ジャーナリスト)

さがら せいぞう。航空月刊誌を中心に、軍民を問わず航空関係の執筆を続ける。著書に、航空自衛隊の戦闘機選定の歴史を追った「F-Xの真実」(秀和システム)がある。

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