「排気量それしかないの!?」大きいのに小さなエンジン搭載車、なぜ増えた? 税金安くてエコ、とも限らない?
大きいクルマはエンジンの排気量も大きくなるのが一般的。しかし、大きさの割にかなり小さな排気量のクルマも少なくありません。エンジンやターボの進化で可能になったことですが、小さくした方が燃費もよい……とも限らないようです。
「車格に応じた排気量」なんて崩壊してる?
近頃のクルマは、大きいサイズでも排気量を聞くと、意外に小さくて驚くことがあります。
たとえば最新型の「クラウン(セダン)」は、全長が5mを超えますが、ハイブリッドということもあって、エンジン排気量は2.5リッターしかありません。日産の新型「エクストレイル」はe-POWERですが、発電用エンジンは1.5リッターが搭載されています。
輸入車はさらに排気量が小さいモデルが目立ちます。
プジョーでも大きめのセダン風クロスオーバー「408」には、1.2リッターのエンジンが搭載されています。フォルクスワーゲンの「ゴルフ」も1リッター・エンジン搭載モデルがありますし、ルノーのミニバンである「カングー」は1.3リッター。プジョー「リフター」、シトロエン「ベルランゴ」、フィアット「ドブロ」のミニバン3兄弟はディーゼルの1.5リッターエンジンです。また、ジープの「ラングラー」という大きな4WDモデルも、最新型には2リッターのエンジンが搭載されています。
車体の大きさの割に小さなエンジンが搭載されているのは、ターボ技術やハイブリッド技術の進化が、その理由となります。
かつて、ターボ技術が未熟で、ハイブリッドのない時代は、エンジンは自然吸気(NA)が基本となっていました。日本でターボが解禁になったのは1979年のこと。それ以前はターボの量産国産車は存在していなかったのです。一方で、クルマは車体の大きさ・重さに見合ったパワーが必要です。そのパワーの目安となったのがエンジンの排気量でした。
1リッター・エンジンならコンパクトカー程度、2リッターなら中型セダン、大型車は3リッター以上といった具合です。そして、自動車に対する税制は、そうしたエンジン排気量によって定められました。それが現在、毎年に課される自動車税(種別割)です。
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