戦闘機を覆う「ニンジャ・ハンガー」開発元は“着物の帯メーカー”!? なぜか“防衛装備”になったワケ 海外展示会で注目
「シンガポール航空ショー2024」で日本企業が独特な可搬式格納庫を展示していました。説明によると、なんと電磁波を遮断できる布を使っているとのこと。どういうメリットがあるのか、担当者にハナシを聞きました。
電子の目を欺く「Made in Japan」の技術
2024年2月にシンガポールで開催された「シンガポール航空ショー2024」では、防衛装備庁が主体となって複数の日本企業が参加し、防衛装備品に関する各種展示を行っていました。なかでも注目を集めていたのが、京都に本社を置く繊維・医療機器の製造販売を行うミツフジの展示品です。
同社が出品していたのは、戦闘機用のハンガー(簡易格納庫)です。ブースに展示されたのは模型でしたが、そのハンガーはU字型のフレームに布製の天幕を張ったもので、その中にはF-35A「ライトニングII」戦闘機のダイキャスト模型が置かれており、実物は機体をスッポリと覆えるほどの大きさであることがわかります。
このようなハンガーは、機体や隊員を日光や雨風から守るために、世界各国の基地で多用されており、特段目新しいものではありません。しかし、ミツフジの戦闘機用ハンガーには、同社の繊維技術によって実現した、ある特別な機能があります。
それは、このハンガーがレーダー波を含めた電磁波を遮蔽することができる点です。ハンガーの天幕に用いている生地には電波を遮断するシールド材としての機能があり、格納した機体は電子の目による監視に対して、その存在を隠すことができるのだとか。それは情報戦において大きな利点になるようです。
では、このシンプルな構造ながらもハイテクな機能を持つ戦闘機用ハンガーは、軍事的な観点でいうと、どのような利点があるのでしょうか。
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