マイルを航空券に交換…ちょっと待て! 「ポイント」にした方が断然お得なケースとは? “券取れない時”の攻略法

「eJALポイント」の方が絶対お得!なケース

 さらにJALは、マイルを「eJALポイント」という、1ポイント=1円相当の電子クーポンに交換できる仕組みを用意しています。

 交換レートは1000マイルでは1000ポイント(1000円相当)、1万マイルでは1万5000ポイント(1万5000円相当)となります。

 前述のようにJALの国内線特典航空券PLUSは、残りの空席数により必要なマイル数が変動します。そのため、マイルを利用して航空券を予約する際は、「マイルからそのまま特典航空券に交換する」「マイルをいったんeJALポイントに交換して、航空券の支払いに使う」のどちらが有利か、きちんと見極める必要があるのです。

 具体例を見てみましょう。2024年8月24日(土)のJAL921便で東京(羽田)から沖縄(那覇)、8月26日のJAL904便で沖縄(那覇)から東京(羽田)を普通席に搭乗する旅程では、特典航空券への交換に必要なマイル数は9000マイル×2で1万8000マイルとなり、さらに国内線旅客施設使用料1220円がかかります(マイル数、運賃等は5月中旬の取材時点。以下同)。

 一方、同じ旅程を、空席に応じて運賃額が変動する「往復セイバー」運賃で購入すると、片道1万2418円、往復で2万4836円(国内線旅客施設使用料1220円含む)です。

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JALの国内線特典航空券PLUS。特典航空券で希望していた便に有償航空券向けの空席があれば、マイルを追加することで予約できる(画像:JAL)。

 もし特典航空券交換に必要な1万8000マイルをeJALポイントに交換すれば、2万7000マイル(便宜上、1万マイル=1万5000eJALポイントのレートで計算)となり、この旅程の航空券を往復セイバー運賃で購入しても、“お釣りが来る”ことになります。

 しかも往復セイバー運賃での搭乗では、JMB一般会員の場合、往復で1476マイルが貯まるため、マイルから特典航空券に交換するよりも、いったんeJALポイントを経由して航空券を購入したほうが有利になるのです。

「eJALポイント」に交換しない方がいいケースも

 では同じ日程で、往路を予約時点でより空席が少ないと考えられるJAL901便、復路を同様のJAL916便とした場合はどうでしょうか。

 この場合、必要マイルは往路1万3000マイル、復路1万3000マイルで、往復2万6000マイル、さらに国内線旅客施設使用料1220円がかかります。

 この旅程を往復セイバー運賃で購入すると、往復にかかる運賃は往複それぞれ2万2555円で、合計4万5110円(国内線旅客施設使用料1220円含む)となり、これを満たすためのeJALポイント交換に必要なマイル数は3万74マイル相当となります。つまりこの場合は特典航空券交換に必要な2万6000マイルでは、eJALポイントでの往復セイバー運賃での航空券購入に4000マイル以上足りないことになります。

 これに、搭乗により貯まるマイルを加算してもその差は埋まらず、往路901便/復路916便利用のケースでは、特典航空券に直接交換したほうが有利だという結論になります。つまり便ごとの運賃に応じて、マイルからの直接交換か、eJALポイント経由での交換か、お得になるケースが分かれてくるのです。

 なお往復セイバー運賃と特典航空券では、キャンセル料の扱い、JALでのステイタス判定に使われる「Life Statusポイント」加算の有無、さらに交換して“端数”となったeJALポイントの有効期限の問題など、消費マイルの比較だけでは決められない差異もあります。またJALの上級会員は搭乗マイルにボーナスマイルが付与されるため、異なる計算結果となります。

 一方のANAも、マイルを電子クーポン「スカイコイン」に交換できる仕組みを用意していますが、ANAではマイルからスカイコインへの交換率のカーブが大きく、一般会員で1万マイル=1万5000スカイコイン(1.5倍)以上になるのが4万マイル以上の交換であること、また特典航空券の交換に必要なマイルがJALとは異なりシーズン変動制であることから、一般的にはマイルから直接、特典航空券に交換することが有利だと考えられます。JAL同様の試算については、各自でご確認いただければと思います。

【了】

【一目瞭然】JALマイル「ポイントに換算→航空券ゲット」の方がお得なケース(画像)

Writer: 植村祐介(ライター&プランナー)

1966年、福岡県生まれ。自動車専門誌編集部勤務を経て独立。クルマ、PC、マリン&ウインタースポーツ、国内外の旅行など多彩な趣味を通し積み重ねた経験と人脈、知的探究心がセールスポイント。カーライフ系、ニュース&エンタメ系、インタビュー記事執筆のほか、主にIT&通信分野でのB2Bウェブサイトの企画立案、制作、原稿執筆なども手がける。

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