“激レア機で日本→聖地に行きます”計画の「極北の新LCC」、事業見直しか? まさかの新プランとは

日本の航空会社で導入されなかった旅客機「ボーイング757」を使用し、かつての「乗り継ぎの聖地」アンカレッジ空港を経由するプランを公開していた新興航空会社ニューパシフィック航空。この計画が大きく変わるかもしれません。

チャーター事業を主軸に?

 アメリカ・アラスカ州のアンカレッジを拠点に、日米線の運航をアナウンスしている新興航空会社ニューパシフィック航空(旧・ノーザンパシフィック航空)。その計画が大きく変わる可能性が出てきました。

 同社は2023年に商業運航を開始。当初は、日本の航空会社で導入されなかった旅客機「ボーイング757」を使用し、かつて日本発着の国際線の経由地として一定年代以上の旅客には馴染み深い「アンカレッジ空港」を経由して、日本と北米間を運航するという、航空ファンにはたまらない運航計画を公開していました。

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ニューパシフィック航空機(画像:ニューパシフィック航空)。

 同社が使用する旅客機ボーイング757は、1000機以上が製造されたものの、日本の航空会社で採用はなく、現在も日本に乗り入れてくるケースは、ごく一部の海外航空会社の便、もしくは外国の貨物便といった程度で、国内ではレア機に分類されます。また、すでに製造も終了しており、経年化により運用機数も徐々に減りつつあります。

 また、経由地であるアンカレッジ空港へは、目的地としても行くことができるとされていました。ビジネスモデルはLCC(格安航空会社)に近いもので、手頃な運賃設定も強みとして掲げられていました。

 そのような計画を打ち出していたものの、まず2023年7月、オンタリオ~ラスベガス線での運航からスタート。当初の計画通りにいかなかったのは、ロシアとウクライナの戦争を契機としたロシア上空の空域閉鎖の影響をうけたためとされています。その後、同社は米国の国内線でのみ運航を継続してきました。

 しかし2024年5月、同社が事業を大きく方向転換としたと見られる発表がありました。3機の757の客室仕様を、オールビジネスクラスに改修する計画が公開されたのです。

 これらの機体はプロスポーツチームなどのチャーター(貸切)便として用いられる予定で、今後同社は当面、このチャーター事業を主軸に据えていくと見る動きもあります。

 一方で、公式ページではこの発表があったのちも、「アンカレッジを経由して、ニューヨーク州、フロリダ州、カリフォルニア州、ネバダ州の各都市と日本・韓国への直行便を運航する」と公表されています。当初の計画を実現する時期は後ろ倒しとなるかもしれませんが、完全に白紙となった――というわけでもなさそうです。

【了】

【写真】「日本じゃ激レア機」の機内、どんな? これがNP航空の客室です

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コメント

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1件のコメント

  1. そもそも、アンカレッジが航空輸送の中継点として栄えたのは、当時の飛行機の航続距離の問題だけではなくソビエト連邦領空を西側諸国の旅客機が飛行できないからだったはずです。
    ですから、ニューパシフィック航空がアンカレッジ経由でロシア上空の空域閉鎖の影響をを受けて大幅な計画変更というのは全く腑に落ちません。
    記事にする前にライターは不思議に思わなかったのでしょうか?