「客室の下にトイレを設けた激長ボディ」の珍旅客機、なぜ? 引退も噂される機齢、しかしバリバリ現役の理由とは
旅客機の化粧室は通常、客室と同じフロアに設けられていることが一般的です。そのようななか、あえて「階下」に化粧室を設けた珍しい旅客機が存在します。客室の下にトイレを設けると何がメリットなのでしょうか。
「ファーストあり」ゆえに重宝?
旅客機の化粧室は通常、客室と同じフロアに設けられていることが一般的です。そのようななか、あえて客室の下層に化粧室を設けた珍しい旅客機が存在します。ドイツ・ルフトハンザ航空のエアバスA340-600です。
A340-600は、エアバスの旅客機のなかで最も胴体が長いモデルで、全長は約75.3m。ルフトハンザ仕様機では、8席のファーストクラス、44席もしくは56席のビジネスクラス、28席もしくは32席のプレミアムエコノミー、189席もしくは213席のエコノミークラスをもつ4クラス構成の国際線機材で、過去にはルフトハンザの日本線にも投入されています。
機内のレイアウトは航空会社が選ぶことができますが、同モデルのなかでも、この「階下トイレ」はほぼ類を見ません。このようなトイレ配置を採用した経緯について同社は明言していませんが、一般的にこのレイアウトでは、トイレを設置するスペースをそのまま座席にできることから、席数を増やせる、というメリットが考えられるでしょう。
A340-600は4発のエンジンを搭載していることから燃費効率がネックであるほか、同社の機齢が20年を超えてしまったものもあり、コロナ禍では退役も噂されました。しかし2024年6月時点でも、ミュンヘン~ニューヨーク、ワシントン、ムンバイ線やフランクフルト~ワシントン、上海線などで運用されています。これはファーストクラスが設定されているためと見られます。
なお、同社では2024年春から新鋭機A350の最新ファーストクラス搭載機を導入しており、この機数の増加に伴って、A340-600の退役が進んでいくとされています。
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