列車が燃えても定時運行!? 勇気ありすぎるウクライナ国鉄“戦時の日常” 国民の圧倒的支持!
ロシアの攻撃に晒されながら営まれているウクライナの日常生活を支える存在のひとつが、ウクライナの国鉄です。高い定刻率で運行を続ける鉄道から、想像だにしないウクライナの戦時の日常が見えてきます。
ウクライナ国鉄グッズ大人気!
ロシアの一方的なウクライナ侵略から2年以上が経ちました。ウクライナ政府の発表によると、戦争勃発時には400万人の避難を助けたウクライナの国鉄、ウクライナ鉄道ですが、2024年現在も戦時下だというのに定刻率93%という驚異的な正確さで定期運行を続けています。そんな大奮闘から、ウクライナ鉄道は固い決意と絆の象徴となり、その評価はうなぎのぼり。国民からの圧倒的な支持を得ています。
2022年11月3日にキーウ中央駅の中に開店したウクライナ鉄道オフィシャル・グッズのショップ「鉄の店(The Iron Shop)」も、2万人以上のインスタグラムのフォロワー数を誇っています。鉄道の長旅に重宝しそうなブランケットや靴下、トラベルポーチなど様々な商品がありますが、「鉄の勇気(Iron Bravery)」のキャッチフレーズの下にウクライナ鉄道のマークが刻印されているカップホルダーは、ゼレンスキー大統領が手にしている写真も掲載されています。
中でも特に売れ筋の商品は、戦争前の平和だった頃の時刻表を胸にプリントしたTシャツです。というのも、時刻表には、現在はロシアの占領下にあるウクライナ東部の地域、ドネツクやメリトポリ、ケルチなどの駅名があるため、「いつかまた奪還して元のウクライナに戻ろう」という悲願がこもったメッセージ性からお土産に買って帰る人が後を絶たないのです。なかには、鉄の結束にあやかろうと、時刻表Tシャツを着て結婚式を挙げたカップルもいたそうです。
一時期は乗客数も減っていましたが、2024年1月から4月間のウクライナ鉄道の乗客数は843万人に上り、前年同期比で25%増となりました(ウクライナ鉄道による)。特に夏は疎開先の欧州から祖国に帰るバカンス客などでウクライナ行きの列車は超満員になるそうです(欧州強靱化イニシアティブセンター創設者のセルゲイ・スムレニー氏による)。
ウクライナ鉄道に関して、こうしたほのぼのとしたエピソードも聞かれるなか、では、「戦時下で遅延なく定期運行」とは、具体的にはどのようなことなのでしょうか。そこには戦火を恐れず鉄道に命を捧げる職員たちの姿がありました。
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