「戦闘機買うお金が欲しい…」国民に助けてもらおう! 防衛力強化のため実施された驚愕の購入プランとは?
国家が国民の寄付で物品を調達する例は、世界的にも災害対応や福祉分野では珍しくありません。ですが、その対象が“超音速戦闘機”だった例はほとんど存在しません。
仏製戦闘機に対する偽情報の拡散
国家が国民の寄付で物品を調達する例は、世界的にも災害対応や福祉分野では珍しくありません。ですが、その対象が“超音速戦闘機”だった例はほとんど存在しません。
韓国のソウル市にある戦争記念館にはアメリカ製のF-4D「ファントムII」戦闘機が展示されています。この機体の機首側面にはハングルで「防衛誠金献機(방위성금헌기)」と意味深な文字が書かれています。
韓国空軍は1969年からF-4戦闘機の導入を開始しましたが、1975年に引き渡された5機のF-4Dは、購入費の一部に寄付金が使われたそうです。これら機体は引き渡し時に「防衛誠金献機」とハングルで書かれた派手な塗装がされ、セレモニーでは5機すべての機体を並べて「必勝編隊(필승편대)」と呼んでいました。
韓国はなぜ寄付金を使ってまで軍備を拡張したのでしょうか? じつはこの「防衛誠金献機」は、単純に寄付金で戦闘機を買ったという事実よりも、当時の韓国政府と防衛費に関連した深い事情があったのです。
1970年代の韓国は、当時の朴正煕政権によってユルゴク計画という大規模な軍備近代化計画が進められていました。それまで韓国の防衛能力は在韓米軍の戦力に大きく依存していましたが、ベトナム戦争の泥沼化から、アメリカ政府がアジア地域の安全保障を各国が担うことを要求(ニクソン・ドクトリン)。朴正煕政権は自国の主体的な防衛能力を向上させるために、装備品の更新、国内産業の育成、軍組織の近代化を大々的に進めます。
しかし、その結果によって国防予算はGDP比で約5%を占めるという高額なものになり、新しい財源が必要となってしまいました。





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