実は複雑怪奇!「道路の端っこスペース」の“違い” 自転車で走ったら違反の場合も!? その見分け方とは
「車道外側線」とは何者だ?
前出の通り、歩道のない道路で、路肩に描かれた線で区分される部分は「路側帯」となります。しかし歩道がある道路でも、歩道に並行して車道側に描かれている実線があります。これは「車道外側線」と呼ばれる表示です。
車道外側線は、道路交通法、道路構造令には明確な規定はありませんが、いわゆる道路標識令(道路標識、区画線及び道路標示に関する命令)では車両外側線を道路交通法の「路側帯を表示するもの」とみなし、また設置場所は「車道の外側の縁線を示す必要がある区間の車道の外側」と定められています。
つまり、車道外側線は、クルマが歩道に寄りすぎないように「車道の外側の縁線を示す」ための線です。二重の実線や実線と破線を組み合わせはなく、1本の実線のみ。また車道外側線の外側については、自転車などの通行は規制されていません。
ただし車道外側線と歩道との間は、水はけのため傾斜がつけられていたり、金属製の側溝の蓋など滑りやすい設備があったり、パンクの原因となる金属片が落ちていたりと、安全走行に支障があるケースが少なくありません。自転車での走行には注意が必要です。
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一口に「路肩」といっても、歩道の「ある/なし」で区別される「路側帯」「車道外側線」の差は非常にわかりにくく、多くの人がその差を意識していないのが現状だと思います。
さらに2013年の道路交通法改正以前は路側帯での自転車の通行方向に規制はなく「右側の路側帯走行は合法だが、車道にはみ出すと違法」「車道外側線の外側での右側通行は違法」という、非常にわかりにくいものでした。
これが同年の改正でともに「右側通行は違法」となりましたが、それから10年以上経っても、路側帯、車道外側線の歩道側を逆走する自転車は後を絶ちません。安全のため、自転車に向けての交通ルールのいっそうの徹底が望まれるところです。
【了】
Writer: 植村祐介(ライター&プランナー)
1966年、福岡県生まれ。自動車専門誌編集部勤務を経て独立。クルマ、PC、マリン&ウインタースポーツ、国内外の旅行など多彩な趣味を通し積み重ねた経験と人脈、知的探究心がセールスポイント。カーライフ系、ニュース&エンタメ系、インタビュー記事執筆のほか、主にIT&通信分野でのB2Bウェブサイトの企画立案、制作、原稿執筆なども手がける。
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