15年以上放置した駆逐艦「エロイナ」がようやく退役「金欠だけではない」複雑な問題が絡む南米の大国
長く修理できなかった艦艇。
イギリスの制裁で満足に部品も買えなかった艦艇
アルゼンチン海軍は2024年6月13日、15年間航行できないまま保有していたアルミランテ・ブラウン級駆逐艦「エロイナ」の退役を決定したと発表しました。
現地報道によりますと、この日はプエルト・ベルグラノ海軍基地で行われた海軍のイベントが行われており、そのイベント中に公式発表されたとのことです。
「エロイナ」は、アルゼンチンでは、アルミランテ・ブラウン級駆逐艦と駆逐艦扱いになっていますが、原型はドイツ製のMEKO360型フリゲートです。
アルゼンチン海軍はこのアルミランテ・ブラウン級駆逐艦を「エロイナ」を含め4隻保有し、水上艦の中核として使用してきました。しかし、フォークランド紛争後のイギリスによる禁輸措置などの制裁により、艦の航行に関わる重要な部品の一部が輸入できなくなっていました。
そのため、部品が故障したり老朽化しても、一部部品の修理が困難となっており、「エロイナ」は2008年以降、満足に航行できることが不可能になり15年以上に渡り、港に停泊したままとなっていました。
現地報道によると、2018年以降はイギリスとの関係改善も進んでおり、部品供給への交渉も進んでいましたが、維持費が高額なことを考慮し退役という決定になったようです。
【了】
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