マジで激レアになってしまった「新宿発の小田急」バスに乗る 毎年6月だけ運行の「最長路線」 今年は周辺も激変!?

約13kmノンストップ! 京王バスや関東バスとの再会も楽しい

 笹塚二丁目から調布までの約13kmは、千歳烏山駅北口や仙川といった停留所がありますが、よみうりランド線のバスはノンストップで駆け抜けます。下高井戸付近では杉並区のコミュニティバス「すぎ丸」が停車する姿が見え、千歳烏山駅付近を過ぎると、新宿駅で見かけたきりだった関東バスの車両が出現。京王バスも再び姿を見せます。東京西部の足を担う路線バス各社の車両を見ると、西へ向かっていることを実感します。

 出発から30分以上がたち、当初のやや興奮気味で賑やかさがあった車内が落ち着き始めたころ、東京23区を抜けて多摩地区に入ります。よみうりランド行きはバスが発着する調布駅北口のロータリーには入らず、旧甲州街道上に設けられた「調布」に停車。その後左折し、多摩川を渡る鶴川街道へと入ります。

 5分ほど走ると車窓には多摩川の広々とした河川敷が現れました。さらに左手にはよみうりランドの観覧車も見え隠れ。遠くまで来たものだと実感できます。

 よみうりランド線しか発着しない矢野口駅東を過ぎればゴールまであと一息。京王よみうりランド駅を過ぎると急な登り坂やカーブが続き、立席の乗客は最後の力を振り絞って踏ん張っていないといけません。

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甲州街道の仙川三差路を通過する、よみうりランドからの折り返しの新宿駅西口行き。画面左端の道は旧甲州街道で、よみうりランド行きはこちらを走行(水野二千翔撮影)。

 ここ「ランド坂」はかつて、急なヘアピンカーブで高低差を克服していましたが、2021年に新しいループトンネル経由で付け替えられ、旧道があった急峻な谷はまるごと埋め立てられました。2024年現在は、丘の上までほぼ埋め立てられ、新たにできた用地に新球場の建設などが進んでおり、一大造成地の様相です。

 そして終点・よみうりランド3番のりばに到着。この日は定刻から5分ほど遅れ、乗車時間は1時間15分となりました。

 混雑はラッシュ並みですが長時間乗車ができ、心ゆくまでバス乗車を楽しめるよみうりランド線。2024年の乗車チャンスは、残りは6月30日の1回のみです。

【了】

【信じられるか…?】本数があまりに少ない「新宿発の小田急」バスに乗った(地図&写真レポ)

Writer: 水野二千翔(高円寺工房/モビリティライター)

レイルウェイライター種村直樹氏に憧れ鉄道・バスライターを志す。これまで「バスマガジン」や「Rail Magazine」で執筆。現在はモビリティ全般に興味を広げ、ドローンや空飛ぶクルマの記事も。国家資格「一等無人航空機操縦士」所持。近著に「ドローン3.0時代のビジネスハック」ほか。

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1件のコメント

  1. 新宿発の小田急バスは3系統あると書いているにも関わらず、
    若林営業所系統に触れていない雑な記事。