「料金未納」「時間超過」だらけでいいのか? 路上のパーキング・メーター&チケット 機器の歴史は不正の歴史?

実は曲がり角? パーキング・チケット/メーターどう進化

 では今後、パーキング・メーターやパーキング・チケットはどうなっていくのでしょうか。

 パーキング・メーターはその構造上、クルマを路肩部分に停める必要があり、自転車の走行空間に干渉することから、国土交通省や警察庁が進める「自転車は『車両』であり車道通行が大原則」という考え方にそぐわない部分があります。また個々の駐車枠に本体装置を用意する必要があることから、設置の手間も大きくなります。

 そのため、今後の新設はパーキング・チケットが主流となり、パーキング・メーターも、道路の状況によってはパーキング・チケットへの置き換えが進んでいくものと考えられます。

 ただ現在気になるのは、パーキング・メーターおよびパーキング・チケットの適正な利用を確認する管理員の数が不足しているのではないかということです。

 1990年代には、パーキング・メーターやパーキング・チケットが設置された道路には、かなりの頻度で管理員が巡回し、不適切な駐車に対し警告書を貼付していました。しかし現在はそうした管理員の姿を見ることはまれで、場所によっては駐車車両の半数以上が未納、時間超過といった状態であることも珍しくありません。

 そのため、そうした道路へ新たに停める利用者も「みんながやってるんだから、大丈夫か」と、作動手数料、発給手数料を支払わないケースが多くなるという悪循環を生んでいます。

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パーキング・メーターと駐車帯。管理員の巡回もあるが…(植村祐介撮影)。

 2024年3月には、東京都内で全国初となる「キャッシュレス決済&4か国語対応 パーキング・チケット発給機」も登場するなど、新たな動きもみられます。

 ただ新たな技術については、こうした「キャッシュレス」「マルチリンガル対応」だけでなく、パーキング・メーターおよびパーキング・チケットの適切な管理などにも導入し、「お金を入れて停める正直者がバカを見る」という現状を改めてほしいものです。

【了】

【大進化!?】これが全国初の「パーキング・チケット機」です(写真)

Writer: 植村祐介(ライター&プランナー)

1966年、福岡県生まれ。自動車専門誌編集部勤務を経て独立。クルマ、PC、マリン&ウインタースポーツ、国内外の旅行など多彩な趣味を通し積み重ねた経験と人脈、知的探究心がセールスポイント。カーライフ系、ニュース&エンタメ系、インタビュー記事執筆のほか、主にIT&通信分野でのB2Bウェブサイトの企画立案、制作、原稿執筆なども手がける。

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