「月に一番近い」国はどこ? 無人機じゃダメ“有人着陸”へ競争過熱のワケ 「時代錯誤」の声も

人類が初めて月面に降り立ってから今日で55年です。当時の世界情勢を鑑みると、宇宙開発が米ソの対立と国威発揚の道具になっていたことも事実ですが、無人機が発達した現代でもなお、各国は有人で月を目指しています。

ソ連は月からの生中継を無視?

 アームストロング船長とオルドリンが月面に降り立ち、最初に行ったのがテレビカメラの設置でした。月面活動の画像は地球にも中継され、約10億人が視聴したといわれます。今から55年前に月からの中継映像がリアルタイムで放送され、一般家庭のテレビで見られるということは驚異的なことでした。

 中継方法は複雑で、画像はモノクロかつ不鮮明でしたが、オルドリンが後に、最も大切なミッションのひとつがテレビカメラの前でアメリカ国旗を掲揚することだったと語っているように、この映像は8年前のケネディ大統領の「至急の国家的要請」が達成された勝利宣言に最大限利用されました。ちなみにソ連中央テレビはこの時間、月からの中継映像ではなく『豚飼いと羊飼い』という映画を放映していました。月からの映像は録画で放映されました。

 もし中継映像が月からではなく、ホワイトハウスのニクソン大統領の追悼スピーチだったとしたら、ソ連のテレビは間違いなく生中継していたでしょう。スピーチ内容はリスクと責任を認識し、犠牲を出しても計画を進めていく覚悟を示しており、月着陸の挑戦は続けられたでしょうが、成功してもアポロ11号のような熱狂的な効果は期待できそうにありません。

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月面に設置した星条旗に敬礼するバズ・オルドリン(NASA / Neil A. Armstrong, Public domain, via Wikimedia Commons)。

 宇宙開発競争は高いリスクを伴います。月面着陸の日までに亡くなった宇宙飛行士は米ソで18名とされます。

 犠牲者は宇宙飛行士だけではありません。1960(昭和35)年10月24日にはソ連のバイコヌール宇宙基地で、R-16ロケットの試験中に軍高官を含む地上スタッフ100名以上(詳細不明)が亡くなる爆発事故も起きています。秘密主義時代のソ連ではもっと多くの事故があり、宇宙開発関係者が亡くなっているともいわれます。ほかに犬や猿など動物たちも宇宙開発に命をささげています。

世紀の瞬間!! 月面着陸時のテレビ映像

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