車内で泣いちゃう人がいる?「すごすぎて…」 人気列車の10年を支えた“尋常じゃないおもてなし” 背景にあった危機
車体側面のメッセージは「アテンダント筆」
この笑顔のおもてなしこそが乗客と地域を結び、あたたかい絆が生まれているのだと、アテンダントたちは声をそろえて言います。
アテンダント自身も乗務しながら、沿線の人たちと心を通わせています。中には家族のように接してくれる人や、水害で運休を余儀なくされ、復活に向けた試運転でスタッフしか乗っていないと分かっていても、普段と変わらず乗務員にお手ふりをしてくれ、「おかえり!」とプラカードを振ってくれた人もいるといいます。
冒頭で紹介した車体側面の長文メッセージは、そんな沿線の人々にアテンダントが綴った感謝の言葉です。
料理や景色だけではない、この列車の魅力を知っている乗客は、「また乗りたい」とリピーターになってしまい、中には数百単位での乗車数を誇る常連客が何十人もいるうほどです。そうした結びつきもまた沿線を活気づけています。何度も顔を合わせるうちに、会話も弾み、この列車は多くの人たちの笑顔とものがたりを運んでいるのです。
【了】
Writer: 坪内政美(スーツの鉄道カメラマン)
1974年生まれ、香川県在住。いつでもどこでもスーツで撮影に挑む異色の鉄道カメラマン・ロケコーディーネーター。各種鉄道雑誌などで執筆活動をする傍ら、予土線利用促進対策協議会のアドバイザーやテレビ・ラジオにも多数出演するなど、鉄道をワイフワークに活動している。著書に「鉄道珍百景」「もっと鉄道珍百景」「駅スタンプの世界」「100万キロを走ったセドリック」(いずれも天夢人刊)がある。
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