ロシアが開発「ワンオペ攻撃ヘリ」Ka-50 実は“ブラック職場”になりかけた!? でも2人乗りも良いとは言えないワケ
搭乗員も「ワンオペ」じゃオーバーワークに
カモフは搭乗員を1名で済ませるために、Ka-50に対し自動操縦が可能な飛行・航法システム「ルビコン」と自動戦闘システム「シクヴァル」を採用。これにより乗員削減の問題は解決できると考えていたようです。
とはいえ、ソ連崩壊後のロシア軍はこのカモフの考え方に疑念を抱いていました。Ka-50がいかに自動化されているとは言え、「ワンオペ」の攻撃ヘリコプターはパイロットの作業負荷が大きすぎるのではないかと考えたからです。
実際問題として、単座の軍用ヘリコプターは世界中どこにも存在しませんし、Ka-50と同時に競作していたMi-28は複座(2人乗り)だったので、当然の懸念であると言えるでしょう。
そのようななか、2000年にチェチェン紛争が勃発したのは、Ka-50にとって単座のコンセプトを証明するまたとない機会でした。そこで、索敵を行い、標的を指示するKa-29観測ヘリコプターとペアを組み攻撃を担当する単座の攻撃ヘリコプターは、意外に悪くないことが判明します。悪天候が続く冬のチェチェンという厳しい環境において肯定的な評価を得たことで、カモフの設計コンセプトは正しかったかのように思えました。
しかし、ロシア軍は攻撃ヘリコプターを単なる対地攻撃機としてではなく、偵察や観測任務を兼ね、複数の攻撃ヘリコプターを統制できるなど、多用途に使おうと考えるようになっていました。
その結果、Ka-50をベースにした複座型Ka-52に強い興味を持つようになり、最終的にKa-52を制式採用することになったのです。結局、たくさんの仕事をこなすには「ワンオペ」では無理があったと言えるでしょう。
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