ロシアが開発「ワンオペ攻撃ヘリ」Ka-50 実は“ブラック職場”になりかけた!? でも2人乗りも良いとは言えないワケ
ロシアによるウクライナ侵略でも多用されているKa-52攻撃ヘリコプター。同機の原型は世界でも稀な1人乗りの攻撃ヘリコプターKa-50です。じつはロシア軍の要求でわざわざ2人乗りのKa-52が造られたとか。その意図は何だったのでしょうか。
2年半で約60機を喪失したKa-52
ロシアによるウクライナ侵攻において、ロシア空軍の攻撃ヘリコプター、特にKa-52「アリガートル」が大量に失われているようです。映像など確度の高い公開情報から損害を算定する民間組織Oryxの統計によれば、すでに60機近いKa-52が撃墜ないし破壊されているとのことです。
この数は、ロシア空軍が運用するKa-52のほぼ半数です。この事実は、現代戦における攻撃ヘリコプターの脆弱性を改めて浮き彫りにしたと同時に、ロシア空軍の戦術や装備に対し疑問を投げかけているとも言えるでしょう。
Ka-52は、アメリカ製の攻撃ヘリコプターAH-64「アパッチ」に影響を受け、当時のソ連軍が高い対戦車能力を持った攻撃ヘリコプターを欲したことで開発がスタートしています。これに対しカモフ設計局はお得意の「同軸二重反転ローター」を採用し、テールローターを持たない単座機Ka-50で応えました。
二重反転ローターはともかく、単座ヘリコプターを「攻撃ヘリ化」するというカモフの思想は型破りと言ってもよい冒険でした。なぜなら回転翼機は飛行機(固定翼機)よりも操縦が難しいため、前出のAH-64「アパッチ」を始めとして既存の攻撃ヘリコプターでは、パイロット1名に加え、武装を扱うもうひとりの乗員が必要不可欠であったからです。
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