自衛隊の「キャタピラ・ダンプ」ウクライナに続きベトナムにも 日越両国で合意
日本全国で見かける自衛隊車両です。
防衛装備品のベトナム向け初の移転案件として
防衛省は2024年8月6日、ベトナムに対し、中古の資材運搬車を譲渡することで両国の防衛大臣が合意に至ったと発表しました。
これはベトナムを訪問した木原 稔防衛大臣が、ザン越国防大臣と約1時間半行った会談のなかで話し合われたもの。昨年(2023年)12月に実現した装備品に係る防錆表面処理加工技術の日本からの移転に加え、日越防衛装備品・技術移転協定に基づく初の防衛装備品の移転案件として決まったもので、2両が無償譲渡されます。
資材運搬車は戦車などに似た無限軌道(クローラー)、いわゆるキャタピラ式の足回りを持つ特殊車両です。車体サイズは全長4.3m、全幅約2.15mで、最大積載量は約3t。荷台は、ダンプトラックのように油圧シリンダーで後方に傾けることができ、車体中央に備えた吊り上げ能力約2tのクレーンと合わせて使うことで、人力で運べない重量物でも、自力で撤去から運搬、廃棄まで行えます。
大型トラックや油圧ショベルなどと比べて小型であることから、隘路を進んだり、狭小地で活動したりできるほか、悪路に強い足回りを活かして泥濘地や湿地、山間地でも活動できる特性を持っています。また大型トラックに載せて輸送可能な高い被輸送性も兼ね備えています。
前出の両大臣は、昨年末の日越首脳会談において「包括的戦略的パートナーシップ」に格上げされた日越二国間関係の下、ハイレベル交流や防衛装備・技術協力、能力構築支援、教育交流をはじめ、今後さらに両国の防衛協力・交流が幅広い分野において進展することへの期待を示したとのこと。また二国間、多国間防衛協力・交流を引き続き強化していくことで一致したそうです。
【了】
自衛隊が使う分は補充しているのか?