いまも重宝される“旧日本戦艦の残骸”とは 戦時中に爆沈→わざわざ引き揚げられた理由

終戦時、日本海軍の戦艦は「長門」を残して全ての艦が失われていましたが、その1隻である「陸奥」は戦後、海の中にいながら、意外な活躍の場を得ることになりました。

戦艦「陸奥」戦後に重用されたワケ

 2024年8月15日、日本は79回目の終戦の日を迎えました。日本がアメリカやイギリスなどの連合国に対して無条件降伏をしたのは1945年のことですが、そのとき我が国には軍艦と呼べるものはほとんど残っておらず、戦艦については「長門」以外、全ての艦が沈没またはほぼ沈没扱いである大破着底の状態でした。

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戦艦「陸奥」(画像:パブリックドメイン)。

 このうち、日本の港や浅い海で沈んだ戦艦は引き揚げられ、解体されたのちに屑鉄として戦後復興の礎に転用されましたが、その引き揚げられた戦艦のなかでも長門型戦艦2番艦「陸奥」に関しては、他艦とは少し違う形で日本に貢献しています。

 そもそも「陸奥」は、戦時中に沈んではいますが戦闘で沈没した訳ではありません。太平洋戦争後期の1943年6月8日、山口県岩国市柱島沖で突如爆発し、転覆したのです。この事故は厳重な情報統制のもとに置かれたため、当時の国民にはほとんど知られていませんでしたが、乗員1474名のうち艦長以下1121名が死亡するという大惨事でした。

 そのため、「陸奥」は太平洋戦争に参加した日本戦艦のなかで、事故で失われた唯一の艦となります。

 ただ、それがかえって「陸奥」に重要な使命を与えたのです。同艦は大戦後、数回に渡りサルベージを受けますが、なかでも1970年に行われたものが最も大規模で、そのとき引き上げられた船体の鋼鉄が重要な役割を果たします。

【内部の素材に使用】これが「むつ鉄」を使った測定器です(写真)

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