200年前の姿だと!? 現役最古のイタリア軍艦まもなく来日「世界で最も美しい船」見どころは?
国防大臣の強い意向で来日が実現
「アメリゴ・ヴェスプッチ」は通常、リヴォルノ海軍兵学校の1年生やフランチェスコ・モロシーニ海軍学校の学生などの訓練に使われているため、航行する海域は主に地中海や北ヨーロッパ、大西洋に限られていますが、今回はなんと20か月にわたる世界一周航海を行っています。
2023年7月1日にイタリア・ジェノヴァを出港した同艦は、ダカール(セネガル)、リオデジャネイロ(ブラジル)、ロサンゼルス(米国)、東京(日本)、ダーウィン(オーストラリア)、シンガポール、ムンバイ(インド)、ジェッダ(サウジアラビア)など28カ国を巡り、2025年2月にイタリアのラ・スペツィアに戻る予定です。
ここまで長期の航海を行う背景には、グイド・クロゼット国防相の強い意向があります。彼が同艦の出港時に「世界で最も美しい船だけでなく、イタリアもどの国にも到着する」と述べたように、「海に浮かぶイタリア大使館」と評されている「アメリゴ・ヴェスプッチ」のワールドツアーには、士官候補生の伝統的な訓練活動だけでなく、寄港地におけるイタリア経済と文化のプロモーションが組み合わされています。
たとえば東京国際クルーズターミナルでは、5日間にわたって「アメリゴ・ヴェスプッチ」の一般公開だけでなく、「ヴィラッジオ・イタリア」と称してイタリア海軍軍楽隊による音楽演奏やイタリア海軍の潜水艦を描いた映画『コマンダンテ』の上映といったイベントも開かれることが決まっています。平日ではあるものの、日本でイタリア文化を味わえる貴重な機会となるでしょう。
【了】
Writer: 深水千翔(海事ライター)
1988年生まれ。大学卒業後、防衛専門紙を経て日本海事新聞社の記者として造船所や舶用メーカー、防衛関連の取材を担当。現在はフリーランスの記者として活動中。
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