100年現役の軍艦が来日! 要人の訪問が相次ぎ周りではお祭 これぞ「イタリア式海軍外交」か?

帆船を中心に回る「海軍外交」

 この偉大な探検家の名を冠した帆船は、イタリア海軍リヴォルノ士官学校の練習艦として1931年7月に就航しました。もちろん、すでにこの頃にはイタリア軍艦も鉄製でしたが、船乗りのシーマンシップを育てる場として、あえて伝統ある木造帆船が選ばれたのです。

 以来93年、この全長83m(船体)、総トン数3410トン、26枚の帆に2機の補助ディーゼルエンジンと発電機、推進モーターを備えた同艦は海軍の練習艦として現役で運用され続け、その外観から「世界一美しい帆船」と呼ばれるほどに至っています。

 そして今も世界の海を渡り、イタリア海軍旗の中心にシンボルとして描かれている栄光ある海洋共和国(ヴェネツィア共和国やジェノヴァ共和国、アマルフィ公国、ピサ共和国)の伝統を今に伝えているといえるでしょう。

Large 240830 italy 02

拡大画像

到着翌日の26日午前、ローマのイタリア海軍軍楽隊が着席して、左右に大型モニターが設置された壇上でスピーチを行うクロセット国防大臣。さらに翌日昼には日本の木原防衛大臣と会談して、夕方には再び「ヴィラッジョ・イタリア」へと姿を見せるなど、精力的に活動していた(吉川和篤撮影)。

 練習艦「アメリゴ・ヴェスプッチ」来日の翌日、26日にはさらに大規模な記念式典が開かれ、イタリア政府を代表してクロセット国防大臣も来艦、三宅防衛大臣政務官とともにスピーチを行い、日伊友好と今後の安全保証に関する協力体制をアピール。さらに会場にはウクライナやクロアチアなどの駐日大使や各国の駐在武官や軍人、イタリア企業関係者も参加して、予想以上に大規模で国際色豊かな催しとなっていました。

 一方、船の外に目を転じてみても、同日から30日の出港日まで、貴重な木造艦内の一部と共に横の東京国際クルーズターミナルの館内全てがイタリア一色となった「ヴィラッジョ・イタリア」(イタリア村)が開催され、にぎやかさをプラスしていました。

 東京国際クルーズターミナルの建屋では、大阪万博イタリア館の事前展示や映画上映、演奏会や各種フォーラムなどが開かれていたほか、夜間は船体と共にターミナル建屋も緑、白、赤色のイタリア国旗の3色でライトアップされ、訪れた人たちを楽しませていました。

【画像】イタリアならでは! これが3色にライトアップされた「海の女王」の姿です

最新記事

コメント

このサイトはreCAPTCHAによって保護されており、Googleのプライバシーポリシー利用規約が適用されます。