ちょっと異例!?「最小のエアバス」一体何がいいのか? 米でも大人気なのは“異色の経歴”ゆえ?

「A220」なぜ売れやすい?

 かつてE-190を真っ先に受領したのもジェットブルーでしたが、A220は低燃費のPW1500Gエンジンの使用も合わせて、前世代機と比べて1座席あたりの燃費が25%減り、騒音や二酸化炭素排出量も削減されるなど環境によりやさしく、こうした背景がジェットブルーの導入につながったとみられています。

 機内についても工夫が凝らされています。筆者は、まだボンバルディアCシリーズと呼ばれていた2013年9月の初飛行から約半年後に客室の実物大模型を見学する機会がありましたが、機内が思った以上に広く、一部トイレのドアでは、便座正面に加えて、便座横にもドアを設けて開口部を大きくしていたのを覚えています。

 また、客室も横3-2列と独特で、「同クラスの機体とくらべてもっとも横幅が広い」とされる座席や大型の手荷物棚、「ボーイング777より大きい」と同社がアピールする大型の客室窓など、「ワイドボディ機(複通路機)なみの居住性」も強みとされています。

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エアバスA220。他のエアバス機と“顔”が異なるようにも見える(島田 駿撮影)。

 A220は2024年7月の英国ファンボロー航空ショーでもジェットブルー塗装の-300(N3203J)が展示されましたが、こうした大きなショーで特定の航空会社へ納入した機体を展示するのは、メーカーがその航空会社へ敬意を表していたり新造機だったりもします。

 また、ジェットブルーに納入される機体は米国で生産されるため、米国内の雇用にも貢献します。A220自体も2026年までに現在ひと月あたり6機の生産数を14機へ引き上げるとしているので、雇用へ追い風となり、ひいては米国内でのA220のセールスに良い印象を与えるでしょう。エアバスのお膝元であるヨーロッパはもちろん、A220製造国であるカナダ・アメリカと、それぞれの国の航空会社に売り込みやすいモデルであるわけです。

 ライバルとみられる126~170席のボーイング737-7と120~146席のエンブラエルE195-E2は、いずれも既存機の改良型で、A220のみが完全な新規設計です。これもエアバスがA220のセールスをかけやすい背景かもしれません。

【了】

【写真】珍座席配置!これが「最小のエアバス」機内です

Writer: 島田 駿(航空・旅行ライター)

飛行機による旅行が好きで記事を書き始めた。海が好きで、羽田空港や成田空港へも時折撮影に出かける。

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