車体に謎の「木目」なんだったのか… 日本で一世風靡したデザインの元祖は? 衰退には理由があった

1980年代までに製造されたステーションワゴンのボディに、ウッド調のモールや塗装が施されていることがあります。そのルーツは戦前から始まるアメリカの「ウッディ・ワゴン」にありました。

「ウッディ・ワゴン」の発祥はアメリカ

 最近でこそ世界的に販売台数が減少したステーションワゴンですが、かつてアメリカでは人気車種のひとつであり、日本でも1990年代のRVブームの頃はスバル「レガシィ」を筆頭に国内メーカー各社がラインナップを充実させ、極めて高い人気を誇っていました。現在でもヨーロッパでは支持されており、メルセデス・ベンツやBMW、ボルボなどにワゴン車の設定が残されています。

 そのようなRVブームが起こる前の時代、1970年~1980年代に生産されたトヨタ「クラウン」、日産「セドリック」や「グロリア」「スカイライン」などといった日本製ステーションワゴンの多くに、「フェイク・ウッド」と呼ばれた木目調のモールや塗装が施されていたことがあります。これらの装飾が施されたワゴン車は「ウッディ・ワゴン」と呼ばれたりもしますが、そのルーツはアメリカにありました。

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1980年型ホンダ「シビックカントリー」。1970~1980年代に日本で製造されたステーションワゴンは、アメリカ車を模した「ウッディ・ワゴン」スタイルが多かった(画像:Rainmaker47 CC BY-SA 3.0、via Wikimedia Commons)。

 そもそも、ステーションワゴンのルーツを遡ると、フォード「モデルT」が登場した1910年頃のアメリカにたどり着きます。当初、「デポハック」「キャリーオール」「サバーバン」「ウッディ」などとも呼ばれたワゴン車は、乗用車のシャシーやメカニズムを流用した貨客両用車として誕生しました。

 現在のステーションワゴンとの大きな違いは、キャビンが木材で作られていたことと、フロントウィンドウ以外にガラスが備わらないことでしょう。なお、雨天時はサイドカーテンを装着していました。

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