車体に謎の「木目」なんだったのか… 日本で一世風靡したデザインの元祖は? 衰退には理由があった
当初、ステーションワゴンのボディは木製だった!?
この頃のステーションワゴンは、ローリングシャシーまでを自動車メーカーが製造し、木製のキャビンはコーチビルダー(ボディ架装業者)で架装していました。しかし、職人の手作りによるキャビンは手間がかかり製造コストが高くついたことから、販売価格もそれに合わせて高くせざるを得なかったといいます。
そこで、ステーションワゴンは内外装の仕立てを上質にし、やがて装備を充実(各窓のガラスもこの頃に備わります)させた高級路線へとシフトします。一方、自動車メーカーは製造コストを抑えるため、キャビンの委託生産をやめ、徐々に内製へと切り替えていきました。
第二次世界大戦の終結後、ステーションワゴンは耐候性向上と車体の軽量化、木材の頻繁なメンテンナンスの煩わしさを解消するため、キャビンは全金属製となります。その嚆矢となったのが、1946年に登場したウィリス「ステーションワゴン」で、上級グレードの「プレミアム・トリム・パッケージ」では、木製を思わせる茶とオレンジのツートンカラーで塗装されていました。次いで1955年にはフォードとマーキュリーが、伝統的なステーションワゴンのルックスを残すべく、プラスチックと塗装でウッド調を再現したクルマを登場させます。これがその後の「ウッディ・ワゴン」の原型となりました。
これらのクルマがヒットしたことで、以降のアメリカ製ステーションワゴンは「ウッディ・ワゴン」が定番のスタイルに。そして、このスタイルに影響を受けたのが、イギリスやオーストラリア、日本のステーションワゴンだったのです。
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