「お尻から旅客機乗ります」ユニーク手法なぜ消滅? 胴体最後部ドアのメリットとは

かつての旅客機では、「エアステアー」と呼ばれる内蔵の階段を使って、機体のおしりから乗り降りする、ユニークな方法を取る機種がありました。この方法はなぜ見かけなくなったのでしょう。

なぜリアジェット=おしりから乗り降りになったのか

 リアエンジン式は、離着陸距離を短くすることができるフラップや前縁スラットをエンジンに邪魔されず主翼へ幅広く付けることができます。この方法は小型のジェット旅客機が発着するような、小規模空港の短い滑走路への発着にもマッチするものでした。また、エンジンが胴体に付く分、全高も低くなり、乗り降りも楽になります。

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ANA「モヒカン塗装」のボーイング727-100(画像:ANA)。

 もっとも、「エアステアー」は胴体の最後部に設置するタイプだけでなく、機体側面の通常の乗降用ドアに階段を取り付けたタイプにも存在します。しかし、リアエンジン式の小型ジェット機は、ほとんどが胴体最後部に設置されています。というのも、こうした機体は胴体が短いうえ、胴体後部にはエンジンがあるため、胴体側面に乗降ドアが付けにくくなります。そのため、最後部中央にドアを設けたのです。全高が低いので「エアステアー」も短くでき、重量を抑えられました。

 他方、1960年代当時にエアステアーが重宝されたのは、地方空港を中心として、旅客ビルから直接乗り降りできる搭乗橋(ボーディング・ブリッジ)が満足に整備されていなかったこともあります。旅客の乗降には、機体が到着するたびにタラップ(階段)機体に横付けしなければなりませんが、内蔵式のエアステアーがあるなら横付けする手間も省けます。

 しかし、全国の空港で搭乗橋が整備されていくと、搭乗橋を付けられない機体最後部の乗降口は使う機会も減り、やがて旅客機では消えてしまいました。

 こんにち、海外の博物館に残されているおしりに乗降口のある機体のエアステアーを昇り機内に入ってみると、徐々に視界に入る座席が新鮮に映ります。それは1960年代、まだ飛行機へ乗る機会が少なかった時代に感じた旅の高揚感に通じるものなのかもしれません。

【写真】これが「お尻から乗り降り」できるユニーク機のドアたちです

Writer:

日本各地の名産や景勝に興味があり、気ままに目的地を決めて2泊3日程度の 小旅行を楽しんでいる。

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