いま話題の「寒暖の差」→旅客機の操縦はどう変わる? パイロットの見解は… 違いをいろいろ聞いてみた
「エコな着陸法」にも気温が影響?
近年は燃料節減のため、必要滑走路長に余裕があり天候も良い場合は、着陸後の減速時に逆噴射装置(エンジンの噴射方向を変えることで速度を落とす装置)の使用をアイドリングに留める「リバース・アイドル(Reverse Idle)」という手段が用いられることがあります。ただしこれを用いて減速する場合は、有効な減速手段のひとつである「逆噴射」を平時より使用を控える分、タイヤのブレーキにかかる負担が増えます。
このパイロットによると、特に高温の状況下では、ブレーキ装置の温度が非常に高くなってしまうことも。この温度が下がるまでにはある程度の時間が必要で、気温が高い日は、その機体が次の便として出発するまでの時間にブレーキが十分に冷えきらないケースがあるといいます。この状態では、例えば次便の離陸時にブレーキをかけなければならないケースが発生した時などに、影響を及ぼす可能性が考えられるそうです。
そのため、気温が高い日の着陸時は、次便までの時間や機体重量(ブレーキにかかる負荷に関係する)、滑走路から離脱する距離を踏まえた自動ブレーキのセッティング(強いブレーキほど温度が上がる)、駐機場までの自走距離などを総合的に考慮して、「リバース・アイドル」を実施するか判断しているといいます。
【了】
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